女性の「更年期障害に効く漢方薬」を専門医が解説
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「セイメイ内科」院長で漢方薬専門の韋晴明氏が3月13日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。女性の更年期障害に効く漢方薬について語った。
漢方薬を主とするのか、漢方薬とホルモン剤を併用するのかを考える
新行市佳アナウンサー)今回は女性の更年期障害と漢方薬について伺います。
韋)西洋医学ではホルモン補充療法が行われています。
新行)ホルモン補充療法。
韋)この治療法はのぼせや動悸、肌荒れには有効な反面、不眠や抑うつ、イライラなどの精神症状、めまい、頭痛、肩こり、物忘れなどには比較的効果が薄いとされています。
新行)効果が薄いところもある。
韋)ですから、ホルモン補充療法の長所と短所をよく知っていただいた上で、漢方薬を主とするのか、あるいは漢方薬とホルモン剤を併用するのか。そこを考えていただけたらと思います。
のぼせて汗が出る「ホットフラッシュ」には「桂枝茯苓丸」「黄連解毒湯」
新行)更年期障害では、のぼせる、汗をかくなどの症状が出ると言われますが、これらの症状に効く漢方薬にはどんなものがありますか?
韋)突然のぼせて汗が出る、いわゆる「ホットフラッシュ」は更年期障害でいちばん多い症状なのですが、対応する漢方薬はいくつかあります。下腹部に膨満感があって、押すと痛いような人には「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」という漢方があります。頭痛、腹痛、生理痛や下腹部を押すと痛い方に向けた、どちらかと言うと、やや体力がある人向けの漢方です。
新行)体力がある人向けの。
韋)さらに体質が丈夫で、普段からのぼせやすくて鼻血が出たり、眠れずにイライラするという人には「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」の選択肢もあります。
神経症状に効く漢方薬
新行)神経症状に効く漢方は何でしょうか?
韋)めまいを訴える人には「苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)」や「半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)」という薬があります。苓桂朮甘湯はのぼせ、めまいや動悸、身体が揺れて気持ち悪いという人によく使われる薬です。
新行)のぼせ、めまいや動悸、身体が揺れる人。
韋)半夏白朮天麻湯は、食後に手足が怠くなったり眠くなる、また胃腸が弱い人に向いています。さらに、冷えや貧血などの症状がある人には「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」という漢方薬もあります。体質が弱く、足腰が冷えて疲れやすい、頭が重くてめまいがするような人に向いています。
新行)「当帰芍薬散」は。
韋)皮膚がカサカサに乾いて血圧が上がる人には「温清飲(うんせいいん)」という漢方がありますし、唇や指先がカサカサで手足が火照る人には「温経湯(うんけいとう)」もあります。いろいろな症状に合わせて、いろいろな薬を処方します。
新行)お話を伺っていると、体質と症状によって処方される漢方薬が違うので、お医者さんに自分の症状を伝えることは大切なのですね。
韋)イライラや眠れないという人には「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」や、 「桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)」など、いわば「漢方の精神安定剤」のような薬がありますし、イライラして怒りっぽい人には「抑肝散(よくかんさん)」という漢方もよく効きます。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます