花粉症や蓄膿症によく効く漢方薬
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「セイメイ内科」院長で漢方薬専門の韋晴明氏が3月15日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。花粉症に効く漢方薬について語った。
花粉症によく効く漢方薬
新行市佳アナウンサー)花粉症で鼻水が止まらない、目が痒いという症状で苦しんでいる方がいると思いますが、花粉症に対応できる漢方もあるのでしょうか?
韋)漢方は花粉症にも、慢性副鼻腔炎、いわゆる蓄膿症にもよく用いられます。漢方は鼻の症状によく効くのです。
新行)花粉が飛んでいる時期と飛んでいない時期、どちらにより対応しているのでしょうか?
韋)両方に対応するのがいい治療法だと考えられています。花粉が飛んでいるときは症状を抑える方の漢方を使い、飛んでいない時期には、元来ある体質の偏りを改善する漢方薬を使います。
花粉が飛んでいる時期に処方される漢方薬
新行)花粉が飛んでいる時期に処方される漢方は、どんなものでしょうか?
韋)くしゃみや鼻水に対してですが、特に若くて胃が丈夫な人には「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」という薬が用いられます。中高年で冷えやすい人には、「麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)」がよく効きます。この2つは、麻黄という生薬を含んでいます。
新行)麻黄。
韋)ですので、胃腸が強い人向けです。「麻黄は胃にもたれて使いにくい」という人には、「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」や「苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)」という長い名前の漢方があり、そのようなものを使わせてもらうこともあります。
鼻詰まりにもよく効く葛根湯
新行)鼻が詰まる人に向けては何かありますか?
韋)風邪薬の葛根湯ですね。葛根湯に別の生薬を加えた「葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)」という漢方があり、鼻詰まりに効きます。
新行)風邪を引いたときに葛根湯を飲む方は多いと思うのですが、そもそも葛根湯はどのような役割を持っているのですか?
韋)葛根湯はもともと体を温め、首筋や肩の凝りを取りつつ、汗をかかせて熱を下げ、体を楽にする漢方です。それが鼻詰まりにもよく効くのです。
花粉が飛んでいない時期に処方される漢方薬
新行)花粉が飛んでいない時期に処方される漢方を教えていただけますか?
韋)花粉が飛んでいない時期には、漢方では「バランス理論」と言って、体質の偏り、例えば冷えている人は温めた方がいい、胃腸が弱い人は胃腸を強くするなど。あるいは生理不順や浮腫があれば、それを治す薬を使う。体質を改善すると、翌年には花粉症の症状が軽くなるだろうと考えられています。
眠くなる漢方薬は1つもない
新行)花粉症の薬には「眠くならない」と謳っているものもありますが、漢方はいかがですか?
韋)西洋薬でよく使う「抗ヒスタミン薬」は、鼻水やくしゃみにはよく効くのですが、一方で眠くなりやすいのです。漢方には眠くなる薬は1つもありません。
新行)そうなのですか。
韋)眠くならないばかりか、特に麻黄の入った薬には覚醒作用があります。朝にまず一服飲むと目が覚めます。朝、起き抜けに漢方を飲む方はたくさんいます。
目が痒い場合は「越婢加朮湯」が効果的
新行)ここまで主に鼻を対象とする漢方薬について伺ってきましたが、目の対策についてはいかがですか?
韋)目が痒くて困る場合もありますよね。西洋薬の目薬を差すのもいいですが、漢方では「越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)」があり、目にも比較的よく効くと言われています。
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