花粉症の人はそうでない人に比べて死亡リスクが21%低い

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医師で医療ジャーナリストの森田豊氏が2月9日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。寿命の科学について解説した。

花粉症の人はそうでない人に比べて死亡リスクが21%低い

ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」

人間の寿命を決める要素 ~25%が遺伝、75%が環境

飯田浩司アナウンサー)今回は最新版寿命の科学について伺います。寿命はどこで決まるのですか?

森田)双子などの研究から、人の寿命を決めている要素は25%が遺伝、残りの75%は環境であるということがわかりつつあります。

飯田)なるほど。

森田)環境はとても重要で、例えばタバコを吸わない、太りすぎにならない、痩せすぎにならないということが、長生きをする上で大切なのです。ただ、寿命が延びるのはとても嬉しいことなのですが、質の高い生活、すなわち「生きがい」や「やる気」を保つことも大事です。今回も最新の研究成果をご紹介して行きたいと思います。

飯田)ぜひよろしくお願いします。どういったものがあるのですか?

実年齢より若く見える人は長生きする

森田)まずご紹介したいのは、見た目の若さが人の寿命に関係しているという報告です。70歳以上のデンマーク人の双子1826人を対象とした疫学研究で、実年齢より若く見える人は長生きする傾向にあることがわかりました。

飯田)本当ですか?

森田)はい。双子の見た目年齢の差が大きい場合、老けて見えた方が早死にする傾向があることがわかりました。おそらく、見た目年齢と動脈硬化のリスクが関係することや、肌のたるみと骨密度の減少が相関することなどが関係しているのではないかと、この研究論文では述べています。

花粉症の人はそうでない人に比べて死亡リスクが21%低い

新行市佳アナウンサー、森田豊氏、飯田浩司アナウンサー

見た目が実年齢より老けている人は心臓病を発症するリスクが高い

森田)同じくデンマークの研究で、1万1000人を対象とした調査なのですけれど、見た目が実年齢よりも老けている人は、心筋梗塞などの心臓病を発症するリスクが高いということがわかりました。この研究では、老け顔の指標で最も危険度に影響があったのが、目の周りの脂肪の蓄積だったということです。

飯田)目の周りですか? 常時、隈が出ているように見える人は危ないということですか? 私は老け顔歴が長くて、もう中学2年生ぐらいからずっと老け顔なのですよ。

森田)でも、「貫禄がある」とか「言うことに信頼性がある」と思われるようなメリットもありますよね。

飯田)確かに、新入社員当時から先輩に先だって名刺を出されていました。

森田)この他にも危ない兆候があります。例えばこめかみ部分の生え際の後退や、頭頂部の抜け毛なども、心臓病の発症と関係があると考えられます。

飯田)そうなのですか。

森田)なぜこういう結果が出たのかははっきりしていないのですが、もしかすると男性ホルモンが旺盛な人が、寿命を縮めている可能性もあります。

花粉症の人は死亡リスクが21%低い

新行市佳アナウンサー)見た目以外で、他に寿命にかかわる因子や要素はありますか?

森田)最近、国内で報告された研究論文で、花粉症の人は長生きする傾向にあるという論文が発表されました。

飯田)花粉症ですよ、私。

新行)私は花粉症ではありません。

森田)岐阜大学の研究によると、過去に心臓病や脳卒中やガンなどになっていない45歳~80歳の日本人、1万人以上を対象に研究したところ、花粉症の人はそうでない人に比べて21%も死亡リスクが低かったということです。花粉症の人は普段から免疫力が活発なので、さまざまな病気に対する抵抗力も強いのではないかと思われるような研究結果ですね。

飯田)なるほど。これは私にとっては朗報です。

森田)でも、それも今後の生活習慣次第ということですよね。

番組情報

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

毎週月~金曜日 朝6:15~

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飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます

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