ジャーナリストの鈴木哲夫が4月27日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。総理大臣の警備・警護について解説した。
岸田総理に対する爆発物襲撃事件 ~国のトップである総理大臣の警護はどうあるべきか
飯田)統一地方選の最中に、いわば国のトップを狙った爆弾テロが起こりました。
鈴木)谷国家公安委員長が、首相襲撃後も「うな丼を食べた」と言ったという。
飯田)そういうスキャンダル話のようなところに入ってしまっています。
鈴木)「うな丼を食べた」という発言はある意味、愕然としました。これが今回の事件の本質だと思うのです。「自民党のトップである岸田さんが狙われた」、「選挙で」などという言葉が付属するけれども、これは「総理大臣の警護がどうあるべきか」ということだと思うのです。
飯田)総理大臣の警護をどうするべきか。
鈴木)岸田さんではなく誰であっても、「総理大臣の警護はどうなのか」ということが本質だと思います。そういう意味では、日本は甘いのではないかと思います。日本は議院内閣制だからアメリカのような大統領とは違いますが、総理大臣は三権の長であり、自衛隊の最高指揮官です。国のトップですよ。
議論するべきは「選挙遊説のときにどうするか」というような方法論ではない
鈴木)その人の警護がこれでいいのかという議論をしなければならない。自民党が今後、「選挙遊説のときにどうするか」と言いましたが。
飯田)結局、選挙カーの上に立つ云々というのも、今回は爆弾を投げ込まれたからその対応になっていて、非常に場当たり的というか……。
鈴木)方法論的なことになりますが、そうではないですよね。
飯田)各論ではないですよね。
海外での警護は自衛隊が行うべき ~そのために自衛隊法改正の議論をするべき
鈴木)総理大臣という「日本のトップの警護がこれでいいのか」ということです。遊説やイベントなど、総理大臣が動くときには必ず距離を置くとか、持ち物検査を行う。ある警察庁OBが「わざと制服の警察官を立たせるべきではないか」と言っていました。
飯田)SPはスーツを着ていますよね。
鈴木)わからないように警護するのではなく、あえて警察官を立てる。
飯田)見せる警護のような。
鈴木)岸田さんがキーウに行ったでしょう。ウクライナの戦地に行くときの警護について、政府は「ウクライナ政府にお願いしました」と言ったのです。こんなことがありますか? 日本のトップの警護を他の国にお願いするなどということが。
飯田)そうですよね。
鈴木)では、その場合どうするのか。本来なら自衛隊だと思うけれども、現在の自衛隊法ではできない。それなら「自衛隊法を改正すべきではないか」などの議論をするべきです。総理大臣、トップの警備・警護をどうするかということです。
飯田)海外含めて。
鈴木)警察官は一生懸命やっていますよ。私は仲のいいSPの方が多くいますが、何かあったら身を挺して守るわけです。
飯田)今回も盾を展開して。
鈴木)一生懸命やっているのだけれど、もう少し総理大臣の警護をどうすべきか議論しなければならないのに、「選挙の遊説をどうするか」などと言っている。私は自衛隊法の改正について議論するべきだと思います。自衛隊の人と少し話したけれど、戦地での警護なども訓練しており、準備はできていると言っていました。
飯田)そうですよね。あらゆることに対処する必要がありますからね。
来日の際の米大統領の警護との違い
鈴木)総理大臣という立場は、やはり重いと思うのです。何度も言うけれど、岸田さんだからではありません。総理大臣の警護をどうするのかも「後半国会」の重要なテーマだと思います。
飯田)法律で不備があるのであれば、国会で直すことができるはずですよね。
鈴木)そうです。自衛隊がそこまで守って、海外で武力を行使することがどうなのか。この場合はいいのではないか、「では自衛隊法を改正しなければならない」という議論をしないとダメでしょう。
飯田)アメリカのバイデン大統領がウクライナを訪問したときは、表立ってはもちろん「ウクライナ政府が」と言うのだけれど、当然ながら協力しています。日本の場合も「協力して行う」というところまでは答弁できてもおかしくないのだけれど。
鈴木)アメリカの大統領が日本に来た例を見ればわかるではないですか。どれだけ警護が周りにいるか。
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