キャスターの辛坊治郎が6月6日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。マイナンバーカードの運用を巡り、マイナ保険証に他人の情報をひも付けたり、公的給付金の受取口座で別人口座を誤登録したりするトラブルが頻発している問題について、「反対運動が起きないと、甘くなる」と苦言を呈した。
政府のデジタル社会推進会議は6日、マイナンバーカードに記載する情報の刷新など今後取り組む施策を示した重点計画の改定案をまとめた。2026年中にもプライバシーに配慮した内容に見直す方針だ。
辛坊)初期不良にしてはトラブルが多過ぎます。
かつて、住民基本台帳ネットワークを導入する際には、ものすごい反対運動が起きました。このため、運用する側は住基ネットのスタートにあたっては、細心の注意を払わざるを得なくなりました。しかしながら、結局は何の役にも立たないシステムができてしまいました。
一方、マイナンバーカードに関しては、住基ネットとは違い、反対運動はほとんど起きませんでした。そして、ふと気づいたら運用が始まっていました。住基ネットの際には、少しでもミスをするといけないと思うから、みんなが必死になって対応したわけですが、マイナンバーカードは政府も拍子抜けするくらい、トントン拍子で進んでしまいました。やはり、反対運動が起きず順調に行き過ぎると、運用に従事する人たちの姿勢がどうしても甘くなるということですね。
マイナンバー制度のスタートにあたっては、当時の甘利明社会保障・税一体改革担当相が替え歌で浮かれたように制度をアピールしたり、カード取得を促すテレビCMなども頻繁に流されたりしました。そうしたことが功を奏したかどうか分かりませんが、制度は順調にスタートしました。そんな緩い風潮が今、さまざまな形のトラブルとなって噴き出しているのだと思います。
それにしても、マイナンバーはそもそも持ち歩くことを前提にしていなかったはずではないでしょうか。それが今や運転免許や健康保険証代わりに使うことになっています。システム構築そのものの方向性が変わってきていますね。「何だ、これ?」という感じです。
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番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)