血流を保つことで認知症の進行を抑えることができる

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東京都医師会理事で「水野医院」院長の水野重樹氏が7月18日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。血管や血流と認知症の関係について語った。

血流を保つことで認知症の進行を抑えることができる

※画像はイメージです

動脈硬化によって脳の認知機能が下がる

新行市佳アナウンサー)血管や血流が認知症のリスクにつながるということですが。

水野)認知症と言えば、まず頭の問題を考えると思います。

新行)そう思っていました。

水野)もちろん頭にも血管があります。特に動脈硬化が起こることによって、脳の血流が落ちる。これは脳の機能が落ちるということなので、脳の認知機能も落ちるということになると思います。

新行)動脈硬化によって。

血流を保つことで認知症の進行を抑えることができる

水野)認知症の場合は突然というより、「徐々に」というイメージが強いと思います。

新行)そうですね。

水野)認知症のなかには、皆さんご存知のアルツハイマー型認知症があります。神経変性疾患と言われていますが、基本的には血流が悪くなると、アルツハイマー型認知症が悪化します。従って、歳を取ってくるとアルツハイマー型認知症に脳血管障害型の認知症が加わり、認知症を悪化させる可能性が高いと考えていいでしょう。

新行)血流が悪くなって。

水野)アルツハイマー型認知症は現在、予防的なものは考えられないので、脳血管障害型の認知症を起こさせないよう、脳血管の血流を保つことで脳の機能を少しでも悪化させないことが大事です。

新行)脳血管の血流を保つ。

水野)若年性認知症もありますが、多くはご高齢の方がなることが多いです。ご高齢の方、要するに動脈硬化が進む方にとって、アルツハイマー型認知症は脳血管障害型の認知症が加わっている可能性が高いと考えた方がいいでしょう。

新行)血流をよくすれば、認知症の進行を回避できるのですか?

水野)おっしゃる通りです。ぜひ血流を保つことを主眼に、いろいろなことをやっていただきたいと思います。

血流を保つことで認知症の進行を抑えることができる

水野重樹氏、新行市佳アナウンサー

脳ドックで定期的にチェックする

新行)他に血管や血液が痛む原因は、どんなものがありますか?

水野)皆さん、頭のなかの血管ばかりを考えるかも知れませんが、実は首のところにある頸動脈が細くなり、血流が落ちている場合があります。

新行)頸動脈が細くなって。

水野)頸動脈の血流を確保することにより、脳血流が増えて、認知機能が上がる方もいます。頭のなかだけではなく、外側にある、頭のなかに行く血管もチェックする必要があります。

新行)頭のなかだけではなく。

水野)頸動脈の血流は脳ドックでチェックすることができます。脳ドックについては、頸動脈もそうですし、頭のなかの動脈も調べられます。特に、くも膜下出血の原因にもなる脳動脈瘤……脳動脈のコブが破裂することによって、くも膜下出血を起こすと言われていますが、それらを未然に見つけて処理できます。そのような意味でも重要だと思います。

歯周病と認知症の関係

新行)歯周病も認知症に関係するという話を聞いたことがありますが、本当ですか?

水野)歯周病は「全身疾患がある」と暗に示している可能性が高いので、歯周病がある場合は「病院に行きましょう」と勧めます。単に歯周病と言っても、糖尿病の存在がある可能性が高いことを考えると、動脈硬化などにもつながってくるので、ぜひ気を付けていただきたいです。

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モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

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飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます

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