それぞれの朝は、それぞれの物語を連れてやってきます。
施設から在宅まで、幅広い介護サービスを提供する介護事業者「SOMPOケア」。海が見える坂道を女性が駆け上がり、仕事に悩みながらも決意を胸に「ファイト!」と叫ぶテレビCMが有名です。
バックには、さだまさしさんの歌が流れています。「こころの真ん中に、介護プライド」というフレーズでピンとくる方も多いでしょう。
5年前、「SOMPOケア」はグループ内の介護事業4社が合併し、新会社として誕生しました。現在、約1000以上の介護施設や事業所を運営しており、売上や部屋数は業界トップクラス。約2万8600室という部屋数は、京都市にあるホテルの客室数とほぼ同じだそうです。
今年(2023年)5周年を迎えた「SOMPOケア」。初代社長であり、現在、会長を務めるのが遠藤健さんです。「会長」というと、少しお堅いイメージがありますが、遠藤会長は音楽が大好きで、とても気さくなお人柄です。
約2万5000人の従業員がいる「SOMPOケア」。そのトップを務める遠藤健会長は、昭和29年生まれの69歳。子どものころから音楽が大好きで、ギターを手にしたのは中学生の時期でした。
吉田拓郎さんの熱狂的なファンで、早稲田大学に進学するとフォークソング研究会に入ります。髪をのばし、ギターをかき鳴らす毎日でした。
大学卒業後は損害保険会社の大手、安田火災海上保険に就職。仕事一筋の忙しい毎日を送ります。それでも、好きな音楽をやりたくて仕方がないため、音楽好きの会社の後輩たちとバンドを結成。その名も「ゾンビバンド」だそうです。
転勤が多く、メンバーが地方へ赴任したかと思えばまた戻ってきて、ゾンビのように復活するから「ゾンビバンド」と名付けられました。
オンとオフをはっきり分け、音楽を楽しみ、仕事にも邁進してきた遠藤会長。50歳で長野支店長、53歳で常務、56歳で専務に。その後、関連会社の役員や社長を務め、5年前の2018年に「SOMPOケア」社長に就任します。
損保時代から「現場を見て知ることを大事にしてきた」と言うだけあって、社長室にいることはほとんどなく、「SOMPOケア」が運営する全国の施設を訪問する時間にあてました。
「最初、スーツにネクタイで訪問したら、社員に『社長! ご入居者さまにとって、ここはわが家ですから。そんな服だと皆さんが緊張するので、ラフな格好でお願いします』と言われました。『介護とはこういうことから気を付けるべきなんだな』と痛感しましたね」
介護スタッフと話すことも心掛けました。すると、意外にも元・プロミュージシャンや音楽関係者が多いことを知ります。
「バンドをやっていたの? どうだろう、一緒にバンドをやろうか」
会社のトップから歩み寄り、音楽好きのメンバーを集めたバンド「ザ・シエンズ」を結成。介護で大切な「自立支援」から名付けました。
「施設で演奏して欲しい」という要望が多く、何度もライブを行ってきました。今年3月には、念願だったアルバム『ザ・シエンズ 永遠の愛』を発売。11曲を収録したオリジナルアルバムです。
損保業界から介護業界へ転身し、いろいろと難しい壁にぶつかることもあるそうです。その度に遠藤会長は、好きな言葉を思い浮かべます。
「難しいから面白い」
深刻な人手不足、職員の処遇改善など、さまざまな問題を抱える介護業界を、遠藤健会長がこれからどう変えていくのか。楽しみです。
■「SOMPOケア」
https://www.sompocare.com
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