災害情報論が専門の東洋大学教授、中村功氏が9月4日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム スペシャル ~関東大震災から100年 都市型震災に備える~」に出演。災害時の情報について中村氏と対談した辛坊は、「災害時にデマを流す人は必ずしも悪意を持った人ではない」と指摘した。
関東大震災クラスの大きな地震が発生した際、迅速な避難などを喚起するためには情報の伝達が大きな役割を果たす。テレビやラジオ、インターネットなどツールが多様化する中、情報メディアは災害時にどのような役割を果たし、受け手側はどのような注意が必要になってくるのか―。
辛坊)現在は情報手段がたくさんありますから、そこにデマが流れると大変なことになります。
中村)特にSNS(交流サイト)にデマが流れると、ものすごく速いスピードで伝わってしまいます。気をつける必要がありますね。
辛坊)災害時のデマは、誰が何の目的で流すのでしょうか。緊急事態になると、必ずデマが流れます。どういう心理状態なのでしょうか。
中村)特定の1人が流すというよりも、次第に話が出来上がっていきます。「こういう話を聞いたことがある?」「念のために教えてあげる」といった形で伝わっていくんです。
辛坊)私も阪神大震災のときに経験しました。しかし、デマを流す人が必ずしも悪意の人だというわけではありません。「重要な情報を入手したから、親切で教えてあげよう」という、いい人がいるんです。しかし、そのデマが原因でパニックを起こし、人が死んでしまうケースもあります。ですから、いい人では済まされないのですが、必ずしも悪い人だとはいえません。
中村)そうなんです。善意がかえって悪い結果を生んでしまうケースもあります。ですから、怪しい情報は流さないことを心がけてほしいです。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)