経済アナリストのジョセフ・クラフトが10月24日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。IMFが発表したGDPの予測について解説した。
「日本のGDPが4位に転落」とIMFが予想
飯田)国際通貨基金(IMF)が発表した予測によると、日本の名目国内総生産(GDP)がドルベースでドイツを下回り、世界3位から4位に転落する見通しだということです。
クラフト)私はあまり気にする必要はないと思います。まず、IMFの予想はそれほど当たらないのです。
円安とドイツのインフレの影響で日本が4位の予想に
クラフト)もう1つ、一般国民からすると「名目と実質は何なの?」ということで、よくわからないですよね。今回、名目ベースでドイツに抜かれるという予想には2つ要因があって、1つは円安です。
飯田)円安。
クラフト)もう1つはインフレです。ドイツのインフレはとても高いのですが、「そのような経済でいいのか?」ということです。日本も8%のインフレになった方がいいのかと言うと、そうではありません。日本は日本で国内の成長が、きちんと実質・名目ベースで上昇していることさえ確認できれば、名目ベースでドイツに「抜かれた、抜かれない」ということはあまり重要ではないと思います。
GDPの順位ではなく、「生活が豊かになっている」という実感を国民が持てるかどうか
飯田)添付されたグラフを、「日本のドルベースの名目GDPが高かった時期はいつだろう」と思って見てみると、2011~12年に6兆ドルを超えています。当時はすごい円高でしたからね。
クラフト)円高でしたが、当時の国民が裕福に感じていたかと言うと、そうではなかったと思います。
飯田)記憶しているところでは、失業率が5%くらいありませんでしたか?
クラフト)厳しい状況でした。ポイントはGDPの順位ではなく、国民が本当に成長を感じて、「自分の生活が豊かになっている」という実感を持てるかどうかです。特にドルベースの名目でGDPの順位を争う必要はまったくないと思います。順位を上げるために変な政策を打つよりは、しっかり国内を見据え、「生活が豊かになった」と国民が実感できるような政策を打って欲しいです。
飯田)岸田さんは「経済、経済、経済」と言いましたが、どんなものが打ち出されるのか、引き続き注目していきたいと思います。
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