パレスチナ情勢 仲介役として注目される「カタール」の存在

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経済アナリストのジョセフ・クラフトが10月24日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。パレスチナ情勢について解説した。

パレスチナ自治区ガザ市で、イスラエルの空爆後に立ち上る煙。 撮影地 パレスチナ自治区ガザ地区  2023年10月10日 EPA=時事

パレスチナ自治区ガザ市で、イスラエルの空爆後に立ち上る煙。 撮影地 パレスチナ自治区ガザ地区  2023年10月10日 EPA=時事

全米のアラブ系とユダヤ系の人口は、ユダヤ系760万人に対してアラブ系が350万人と半分に

飯田)イスラエルをめぐる情勢について、バイデン政権は「ハマス対世界」という構図をつくらなければいけなかったのに、「イスラエル対アラブ」という対立軸にしてしまった。この辺りは、大統領選が2024年にありますが、国内向けのところもあったのでしょうか?

クラフト)実はアメリカ国内も変わってきていて、20年前のアメリカにおける「ユダヤ対アラブ」の人口は、ユダヤ系が約500万人だったのに対し、アラブ系は約100万人と、5分の1でした。しかし、いまはユダヤ系が約760万人なのに対して、アラブ系が約350万人と、ほぼ半分なのです。

イスラエル寄りから中立な立場を取るバイデン政権

クラフト)アラブ系アメリカ人の存在感が増しているのです。特に激戦州と言われる州、例えばミシガン州は突出してアラブ人口が多いのですが、その他、ペンシルベニア州やバージニア州の激戦州も同様です。いままでのアメリカの政治は、ユダヤ人に対して非常に敏感だったのですが、最近では、全米の大学でユダヤ系の抗議デモとアラブ系の抗議デモが勃発しており、国内でも分断してしまっている状況です。

飯田)そうなのですね。

クラフト)当初、バイデン政権はイスラエルにかなり寄っていたのですが、国内からの反発を受け、いまは「ハマスはパレスチナを代表していない」と発言するなど、より中立的な立場を取ろうとしています。

日本を中心にG7が「ハマスの殲滅をどうするか」を議論するべき ~イスラエルにただ「待ってくれ」は無理がある

飯田)アメリカが「地上戦は伸ばすべきだ」と、止めているという報道も出てきています。

クラフト)それも問題で、伸ばすのは無理があるのです。家から追いやられている人にとっては、「1週間の話なのか? 1ヵ月の話なのか?」ということです。それでは不十分なわけですから、むしろイスラエルに地上侵攻、ガザの地上戦を止めさせるべきです。ただ、そのためには「ハマスをどうするのか」という問題があります。

飯田)ハマスをどうするか。

クラフト)日本を中心にG7が「ハマスの殲滅・壊滅をどうするか」を議論するべきです。イスラエルにすれば、これだけの大量虐殺をされて黙っているわけにはいきません。それでも「やるな」と言うのであれば、何か打開策、違う策を見せなければいけない。ただ「待ってくれ」というのは無理があると思います。

西側にもイラン、レバノンにもパイプがあるカタールがポイントになる ~仲介役として動くことができる

飯田)ハマスの指導者たちはカタールなどの国外にいて、そこに豊富な資金もあるのではないかと言われています。それに対して、G7も例えば制裁を考えるなど、いろいろな方法がありますよね。

クラフト)今回の紛争では、カタールが1つのポイントになります。カタールは西側とも、またイランやレバノンなどの国々とも太いパイプがあります。彼らは仲介役の責任を負うことができるのです。カタールには米軍基地もあるので、アメリカ側とも連携できます。日本もカタールとは近い関係にあります。

飯田)日本も天然ガスを相当買っていますよね。

クラフト)カタールを仲介役にし、G7として何ができるのか。唯一、イスラエルが言うことを聞くのはアメリカなので、もう少しアメリカも強気にイスラエルをなだめながら、ハマスの問題をどうするか議論するべきです。ただ「地上戦を待ってくれ」と言っても……。

飯田)解決にはならない。

クラフト)パレスチナ人は悲惨な目に遭っているので、解決に向けて具体的に話し合う1つの場がG7ではないかと思います。

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飯田浩司のOK! Cozy up!

FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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