キャスターの辛坊治郎が12月20日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。政治資金パーティー問題を巡り、注目が集まる自民党の派閥政治について、「存在意義があったのは中選挙区時代。いつまでひきずった政治をやるのか」と苦言を呈した。
検察庁を所管する小泉龍司法務相と中野英幸法務政務官は、所属する二階派が東京地検特捜部の家宅捜索を受けたことを踏まえ、20日、二階派に退会届を出し、それぞれ受理された。
辛坊)「クビにしろ」という圧力が岸田政権にかかっていました。ただ、ここでクビにすると歯止めが効かなくなる可能性があります。スキャンダルが持ち上がるたびに全員をクビにしていったら、「誰も残りませんでした」といった事態にもなりかねません。そういうこともあり、クビにするのを躊躇していたところ、本人が派閥に退会届を出し、受理されました。
ところで、自民党の派閥は何のためにあるのでしょう―。私は派閥の全盛期を知っている世代です。現在の選挙制度は小選挙区制ですが、派閥の全盛期はかつての中選挙区時代です。小選挙区制では1つの選挙区から1人しか当選しません。ですから、各党はそれぞれ1人しか擁立しません。
これに対し、中選挙区制では1つの選挙区で複数人が当選しました。自民党が過半数を得るために、例えば5人区では少なくても3人の当選を目指しました。ただし、複数人を当選させようとすれば、誰を立候補させるかが問題となります。そこで調整役として力を発揮したのが派閥です。A派、B派、C派から各1人といった具合です。こうなると、有力な派閥に入っていないと立候補できません。派閥の存在意義は、こうした中選挙区時代の候補者調整の役割といえます。
しかし、今は小選挙区時代です。小選挙区制では派閥の力より党の力が強くなりました。自民党幹事長の力は中選挙区時代より圧倒的に強いはずです。なぜなら、最終的に誰を候補者にするかは党本部で決めるからです。派閥の存在意義がずいぶんと変わっているのに、いつまで中選挙区時代の派閥政治を引きずった政治をやるのでしょうね。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)