黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「黒木瞳のあさナビ」(2月19日放送)に駅弁ライターの望月崇史が出演。駅弁の魅力について語った。
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「黒木瞳のあさナビ」。2月19日(月)~2月23日(金)のゲストは駅弁ライターの望月崇史。1日目は、ひっぱりだこ飯について---
黒木)望月さんは、駅弁の食べ歩きを始めて20年ですか?
望月)2002年からなので、もう20年を超えました。
黒木)これまでに5000個以上を食べてきた、駅弁のスペシャリストです。今回は、望月さんおすすめの駅弁を持ってきていただきました。私の目の前にありますが、この駅弁は初めて見ました。「ひっぱりだこ飯」と言って、「たこ」と「引っ張りだこ」という言葉をかけているのですね。淡路屋と書いてあります。
望月)「ひっぱりだこ飯」は兵庫県・西明石駅のお弁当です。1998年に明石海峡大橋が開通したときの記念弁当で、掛け紙(パッケージ)にも「記念」と書かれています。
黒木)平成10年4月5日と書かれています。どんなところがおすすめの駅弁なのですか?
望月)本当に愛されているお弁当で、日本国民の10人に1人が食べたと言われています。
黒木)初めて見ました。どこで買えるのですか?
望月)基本的には西明石駅と新神戸駅です。兵庫県のお弁当ですが、いまは東京駅でも販売されています。
黒木)いただきます(食べる)。タコが柔らかいですね。
望月)蛸壺型の容器なので……。
黒木)食べ終わったあとも使えますね。
望月)そうなのです。私も筆入れにして、家で使っています。このユニークな蛸壺型の容器を開けると、なかにタコの旨味が「ドーン」と感じられます。
黒木)タコが入っていて、ちらしのようになっているのですか?
望月)錦糸卵や筍の煮物、しいたけの煮物やアナゴのしぐれ煮などがあり、食べ進めていくと、途中で練りもののたこ天がゴロッと出てくるのです。
黒木)この下に?
望月)そうです。
黒木)少しずつ食べていきながら、下の方にも宝物が埋まっているのですね。
望月)掘り出しもの感覚が楽しいです。
黒木)東京駅でも買えるのですね。
望月)このまま食べてもいいのですが、東京駅で買われた場合、ご自宅で召し上がる方も多いと思います。その場合は、お湯を沸かして茶漬けにしていただくと、これも美味しい食べ方です。
黒木)明石と言うと、明石焼きというたこ焼きが有名ですからね。
望月)明石だこは有名ですよね。それだけではなく、この駅弁はいろいろなコラボが進んでおり、ゴジラとコラボしたり、ハローキティとコラボしたり……。
黒木)この「ひっぱりだこ飯」がですか?
望月)そうです。
黒木)お味は絶品ですけれど、どうしてこれを最初に紹介してくださったのでしょうか?
望月)蛸壺のインパクトもあるのですが、駅弁は地域の特産がギュッと詰まっているので、いちばん工夫のある駅弁、そして何より皆さんに人気のある駅弁、面白い駅弁としてご紹介させていただきました。
黒木)東京駅で買って、家でいただくのもいいけれど、やはり駅弁は電車に揺られながら食べるのが醍醐味なのでしょう?
望月)最高です。車窓が変わりますから、食べ始めたときはまだ町の風景だったところが、しばらく行くと郊外になる。だんだんきれいな山や海が見えてくると、どんどん箸が進んで、「車窓もおかずになる」とおっしゃる方もいるくらいです。
望月崇史(もちづき・たかふみ)/駅弁ライター
■1975年・静岡県生まれ。
■早稲田大学在学中から、放送作家として活動。
■ラジオ番組をきっかけに全国の駅弁食べ歩きをはじめ、食べ歩き歴はおよそ20年。これまでに5000個以上の駅弁を実食。
■単なる駅弁の感想に留まらず、駅弁をつくる企業や人々を丹念に取材している。
■ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマに記事を執筆。日本旅のペンクラブ所属。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳