北海道新幹線に接続して函館~札幌間を結ぶ北海道の看板特急「スーパー北斗・北斗」。
”看板”というのは適当に言っているのではなく、その根拠は「列車番号」にあります。
実は「スーパー北斗・北斗」、3月のダイヤ改正から列車番号が「1D」からの付番に変わりました。
かつてトップナンバー「1」が付番された列車には、特急「つばめ」や寝台特急「さくら」「富士」「北斗星」などがあり「栄光の1列車」と呼ばれたもの。
現在も東海道新幹線・のぞみ1号が「1A」、中央本線・スーパーあずさ1号が「1M」、予讃線・しおかぜ1号が「1M」など、各社の看板が1桁の列車番号を背負います。
北海道の特急列車のスターダムに一躍のし上がった「スーパー北斗、北斗」。
その始発駅・函館観光のトップスターといえば、昔も今も「函館山の夜景」ではないかと思います。
今回は函館を代表する温泉「湯の川温泉」に泊まって、函館定期観光バスの「函館夜景ロマンコース」(1,700円)に参加してみました。
夜8時前、各宿の前にバスが停車、近隣の宿と乗り合わせて、標高334m・函館山の展望台を目指します。
ガイドさんも付いて、夜景の見どころや山頂での集合時間等について入念にレクチャーを受けます。
天候に恵まれ、美しい「函館の夜景」に出逢うことが出来ました!
函館山はいわゆる「陸繋島」で砂州によって渡島半島と繋がっていますので、この扇形の市街地こそが砂州。
ツアーでは30分間山頂に滞在、私自身10年ぶりくらいの函館山と記憶していますが、初めて落ち着いて夜景を楽しめた気がします。
撮影ポイントとしては、展望台最上段のデッキの一番右手を押さえると、いわゆる”扇形”の夜景を撮影できます。
ただ、ココは非常に混雑し順番を待つ人も多いので、その一段下の展望デッキでも概ね同じような構図で撮影可能です。
通常、このツアーでは行きが「バス」で、帰りは「函館山ロープウェイ」で下ってくることになっています。
ロープウェイからのだんだん市街地が迫って来る夜景もまたいいんですよね。
集合までの30分、気に入った写真が撮れたら、空を見上げるとカシオペアと北斗七星といった星空が見えることも・・・。
夜景はお腹いっぱいという人は、土産物売場を巡ってみるのもイイかと思います。
なお、ロープウェイが混雑する繁忙期は、行き帰り共にバスになるようです。
1か月ぶりの函館を満喫して、キハ183系の特急「北斗」札幌行で新函館北斗へ。
函館~新函館北斗間は「はこだてライナー」という特別料金不要の列車の利用が一般的。
ただ、タイミングよく「はこだてライナー」が無い時には、特急列車を利用するのも1つの手です。
新幹線特急券と同時に自由席特急券を買えば、乗継割引(新幹線と在来線特急を乗継ぐと在来線特急料金が半額になる割引)で150円の追加で済みます。
事前に買えなくても「310円」ですので、それほど大きな負担にはなりません。
さあ、函館の夜景の余韻に浸りながらいただくのにピッタリな駅弁も誕生しました。
八戸・吉田屋が新函館北斗駅で手がける「BENTO CAFE 41°GARDEN」の新作「函館 100万ドルの夜景弁当」です。
そのままズバリのネーミング、包装にも昨晩観たばかりの函館の夜景がプリント。
中央にはホタテ、いくら、ウニ、カニといった海鮮系の食材をチラ見せしています。
果たして、これがどのように盛られているのでしょうか?
なんと「函館の夜景」を食材で表現していました!
海の部分は紅ズワイガニフレークで表現されており、ちゃんと砂州の部分が弧を描いています。
そして函館の市街地には、夜景のようにキラキラ光る海鮮系食材が・・・。
いくら醤油漬、蒸しうに、とびっこ醤油漬、帆立白だし煮のほか、スクランブルエッグや野沢菜漬でアクセントをつけています。
保存性からかやや濃いめの味付けですが、ごはんは酢飯なので海鮮ちらし寿司の味わいを楽しめます。
普通はこの容器ですと、横に置いて開封、食べようとしてしまいがち。
でも「函館100万ドルの夜景弁当」を購入した場合は、食べる前に一度「タテ」にして一呼吸置きましょう。
すると、あの陸繋島と砂州が作る扇形の弧が浮かび上がって来て「函館の夜景」を思い起こさせてくれます。
駅弁を食べる時は、ガッついて食べるのはご法度。
まず一度”愛でてから食べる”のが、駅弁を一層美味しく味わうテクニックの1つでもあるのです。
さあ、夜景を見てから食べるか? 夜景を見る前に食べるか?
開業から1か月あまり経て、だいぶ落ち着いてきている「北海道新幹線」。
普通車指定席であれば、かなり直前までモバイルSuica特急券のスーパーモバトクを活用して、お得に体験する乗ることが出来ます。
7月からは「青森県・函館デスティネーションキャンペーン」も開催される青函エリア。
メディアに携わっている人間が言うのもなんですが、鉄道旅を一番楽しめるのは、TV等のメディアが騒ぎ始める前に行くこと。
静かで素朴な道南エリアを楽しむなら今のうち、賑やかな雰囲気を楽しむなら夏のキャンペーンに合わせて出かけてみては・・・。
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
「ライター望月の駅弁膝栗毛」
(取材・文:望月崇史)
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/