涙腺崩壊必至!『きみがくれた物語』 しゃベルシネマ【第53回】
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さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。
夏休み映画…と言えば、大掛かりなエンターテイメント作品が目につきますが、この映画はわずか15館程度から興行をスタートする小さな映画です。
今回の「しゃベルシネマ」では、ラブストーリーの王道『きみがくれた物語』を掘り起こします。
ストライクど真ん中!ラブストーリーの王道ムービー
舞台は、ノースカロライナの小さな海沿いの町。
偶然“お隣同士”になり、運命的な出会いを果たしたトラビスとギャビーは恋に落ち、結婚。
ふたりの子どもを授かり、絵に描いたような幸せな日々を送っていた。
ある日、久しぶりのデートの約束にトラヴィスが遅れた日、ギャビーが交通事故に遭って昏睡状態に。
自責の念に駆られるトラヴィスは目を覚まさない妻のもとに通い、アメリカ南部の小さな町を舞台にした恋物語を読み聞かせ、二人の甘い日々や自分の思いを、眠り続ける妻に伝える。
そんなトラヴィスに、人生でもっとも重い究極の選択を迫られる日が訪れる…。
累計1億部を誇る、いま世界でもっとも読まれている恋愛小説家ニコラス・スパークス。
映画化された彼の作品は数多く、これまでにも『きみに読む物語』『親愛なるきみへ』『一枚のめぐり逢い』と、恋愛映画好きの女性を中心に根強い人気を誇っています。
そんな中、スパークス氏自身が最高傑作と語る、全米で500万人が涙したミリオンセラー小説「きみと選ぶ道」を映画化したのが、本作『きみがくれた物語』。
監督はソフィア・コッポラ監督作『ロスト・イン・トランスレーション』ではプロデューサーを務めた、ロス・カッツ。
過酷な運命に翻弄される主人公トラヴィスを演じるのは、『リンカーン/秘密の書』で主演に抜擢され、『白鯨との闘い』でも壮絶な演技を見せたベンジャミン・ウォーカー。
ギャビー役には、女優業だけでなくファッション広告のモデルとしても活躍するテリーサ・パーマー。
極上の映像美と共に注目したいのが、音楽。
世界的な人気ミュージシャン、サム・スミスが「Like I Can」を、シーアが「Fire Meet Gasoline」を本作のために楽曲提供。
トラヴィスとギャビーの燃え上がる恋物語を盛り上げています。
泣くことはストレス解消につながる!?「涙活」のススメ
最近では「就活(=就職活動)」「婚活(=結婚活動)」「終活(=人生の総活)」なる言葉や活動が注目を集めていますが、その中で「涙活」という言葉をご存知でしょうか。
涙活とは、意識的に泣くことでストレス解消を図る活動のこと。
1か月に2〜3分だけでも能動的に涙を流すことにより、交感神経と副交感神経の切り替わりがスムーズに起こり、心のデトックスを図ることが出来ると言われています。
ストレス解消に効果があるのは、悲しみや感動などによる感情の動きによって溢れる涙。
私も「ストレス解消したいなぁ〜」という時には、いわゆる「泣ける映画」をチョイスして、なりふり構わず号泣することでスッキリすることがあります。
とは言え、「泣く」という行為のためにあざとく積み重ねられたストーリーではないトコロが本作の魅力。
ロマンティックな恋愛的要素と、共に人生を歩む過程で突き当る現実 が共存しており、人生経験を積んでいる人ほど、心のより深い部分に染み入る作品だと思います。
ひょっとしたら、この映画に出てくる人物はあなたの友人かもしれないし、親や兄弟かもしれない。
もしかしたら、あなた自身の物語かもしれない。
ジワジワとこみ上げてくる“人を愛する幸せ” “愛される喜び”に、あなたの目にも自然と涙が浮かぶことでしょう。
“泣きのツボ”は人それぞれですが、『きみがくれた物語』は涙活にピッタリの一作です。
2016年8月13日から渋谷シネパレスほか全国順次ロードショー
監督:ロス・カッツ
原作:ニコラス・スパークス
出演:ベンジャミン・ウォーカー、テリーサ・バーマー、アレクサンドラ・ダダリオ ほか
©2016, Choice Films, LLC All Rights Reserved.
公式サイト http://kimi-monogatari.com/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/