上越線・沼田駅に入ってきた普通列車高崎行。
東京ではあまり見られない車両ですが、これはJR東日本の107系という電車です。
昭和の末期から平成のはじめにかけて、JR東日本初の自社製造車両として登場。
主に北関東のローカル線で活躍、今も群馬周辺だけで見られる電車です。
今後は211系電車に置き換えられていくことが発表されており、コチラも115系電車と並んで最後の活躍といったところです。
さて、この107系電車が走る上越線といえば、群馬(上州)と新潟(越後)の境、上越国境越えのある路線です。
「県境を越える」という行為は、旅好きにとっては、何となく心くすぐるもの。
群馬は内陸県ゆえ、実に珍しい県境を各所に抱えています。
今回は、私が行ったことがある群馬県境から勝手に「ベスト3」をピックアップしたいと思います。
第3位:三県境(群馬県板倉町)
最近はちょっとした観光スポットにもなっているという「三県境」。
群馬県板倉町、栃木県栃木市、埼玉県加須市の境は、田園地帯の中にあることで有名です。
近年は自治体同士で、この場所を盛り上げていこうという気分も高まっている様子。
画像はニッポン放送の番組で取材した2012年当時のものですが、現在は少しずつ周りの整備も行われているようです。
ちなみに、近くを通る「県道9号・佐野古河線」は「道の駅・きたかわべ」付近で 数百メートル単位で「埼玉⇒栃木⇒群馬⇒埼玉⇒群馬」と変わり、茨城の県境もスグそばにあります。
第2位:碓氷峠(群馬県安中市)
県境でお茶することも出来ちゃうのが、群馬のすごいところ。
旧軽井沢からもほど近い旧碓氷峠の茶屋「しげの屋」は、 お店の中に「県境」があることで有名です。
店内には、テーブルの真ん中で、群馬県安中市と長野県軽井沢町に分かれている席もあります。
特産に因んで「そば」を頼んだら信州、「うどん」を頼むなら上州と分かれて座ってみるのもいいかも!?
(画像はニッポン放送の番組で取材した2014年当時のもの)
第1位:毛無峠(群馬県嬬恋村)
万座温泉から少し足を伸ばしたところにあるのが、群馬県嬬恋村と長野県高山村の県境にある「毛無峠」。
「県道112号」にあるこの峠は、長野側から来ると「いよいよ群馬!」という所なのに・・・「関係者以外立入禁止」の看板が!
さらに「遭難多発区域」の文字も!!!実はこの道、群馬県側は地質の問題などで今も未開通区間となっているんです。
辺りはその名の通り、草木も少ない荒涼とした雰囲気が印象的です。
(画像はニッポン放送の番組で取材した2014年当時のもの)
そんな群馬の駅弁から、今回は「上州牛肉弁当」(1,200円)をアップ。
「高崎弁当」が平成25(2013)年から販売しています。
加熱式容器ではないのに、ステーキを盛り込んできたなかなかのチャレンジャー。
果たして、どんな工夫が施されているのでしょうか。
【お品書き】
上州牛のステーキ
上州牛のしぐれ煮
錦糸玉子
花人参
舞茸の佃煮
野沢菜漬
ガリ生姜
パプリカ
キヌサヤ
ご飯
上州牛のステーキは、低温調理法を採用することで「冷めても美味い」を実現。
程よい噛み応え、柔らかい食感で楽にいただくことが出来ます。
3年前に初めて食べた時、スッと噛み切れた感動は、今なお鮮明ですね。
2010年代以降、低温調理法をウリにする駅弁屋さんはちょこちょこ見られます。
なお、上州牛のしぐれ煮は、ワイン仕込みの秘伝のタレで煮込んでいるそうです。
今回は鉄道だけでは辿り着きにくい場所をご紹介しましたが、鉄道とクルマを程よく組み合わせていくのも1つの旅のスタイル。
JRで乗車駅から101キロ以上離れた駅へ移動する場合は、乗車券等が割引となる「レール&レンタカーきっぷ」というものもあります。
新幹線停車駅などの大きな駅で、車を借りてアクティブに動くのもまたいいのではないでしょうか。
(取材・文:望月崇史)
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/