タオルは木綿の糸で出来た織物、『綿織物』です。遥か昔から、現在のタオルの原型とも言えるモノがあったそうです。
そんなタオルの歴史に、大きな影響を与えたのがトルコです。
トルコには古くから『ハマム』という、公衆浴場の文化がありました。『ハマム』に入る時は、裸の体に大きいサイズの布を巻いていたそうですが、この布が現在のタオルとしての役割を果たしていたそうです。このような歴史の中、『ハマム』に欠かせないタオルの開発が進められて、18世紀には現在のパイル地のタオルの原型が生まれたと言われています。
19世紀、イギリス人のヘンリー・クリスティーさんがトルコで、この“タオルの原型”を手に入れて、イギリスに持ち帰りました。そして知人の方に相談した結果、誕生したのが、ブランケットのような織物のタオルで、『ターキッシュタオル』と名付けました。このタオルはイギリスやヨーロッパだけでなく、アメリカにも広まっていきました。
日本に初めて『タオル』が輸入されたのは、1872年(明治5年)。ところが当時の日本人は、それが“手や体を拭くもの”だとは知らなかったそうです。その後、タオルがどんなモノなのかを知ることになりましたが、当時は輸入品がとても高価で、手や体を拭くにはもったいない…ということになりました。
それじゃあ何に使っていたのかと言いますと、感触が柔らかくて、保温や通気性にも優れていたことから、首に巻いて、マフラーのように使っていたそうです。
現在のようなパイル地のタオルが、日本でも一般的に使われるようになったのは、明治の半ば、1900年代になってからで国内でもタオルが盛んに作られるようになりました。
(2016/11/7放送分より)
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