『地口』はシャレの一種で、語呂合わせでもあるそうです。上方では『口合(くちあ)い』とも呼ばれています。
例えば“いつも同じ服を着ていること”を『舌切りスズメ』に例えて『着た切りスズメ』。
“杏子よりも梅の方が、お値段が安いこと”を、ことわざの『案ずるより、産むが安し』に例えて『杏子より、梅が安し』といった使い方です。
※『案ずるより産むが安し』:始める前はあれこれ心配しても、実際にやってみると意外と簡単に出来るもの
他にも“夏の時期に、汗をかいた武士が急いでお風呂に入る様子”をことわざの『飛んで火に入る、夏の虫』に例えて『飛んで湯に入る、夏の武士』。これも『地口』の1つです。
このような江戸時代の言葉遊び『地口』を、劇画と一緒に描いた『地口行灯(じぐち・あんどん)』というのがあります。
『行灯』とは“木などで枠を作って紙を張って、その中に油を入れたお皿を置いて、火を灯したもの”で、照明器具として使われます。
この『行灯』に、現代風にアレンジした『地口』を書き込んだものが、『地口行灯』です。
静岡県三島市では、毎年2月になると、『三島宿(みしまじゅく)地口行灯』が行われます。
15回目となる今年は、全国から寄せられた1,100以上の『地口』の中から約170点が選ばれ、そのイメージに合った絵と一緒に『行灯』に書き込まれました。
例:『どじょう国 途上国』、『食券乱用(職権濫用)』夜には『行灯』に火が灯って、とても幻想的な雰囲気になります。
(2016/11/3放送分より)
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