静岡駅「とびだす!!新幹線キッズランチ」(780円)~史上初!?「メロンパン」入り【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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N700系

N700系

静岡駅に到着するN700系新幹線。
静岡では「のぞみ」の通過待ちで、多くの「ひかり・こだま」が5分ほど停まります。
コレ、駅弁好きの視点からすると有難いもので、停車時間で駅弁が買えるんですよね。
静岡は全国有数の”駅弁大国”ですが、列車の「停車時間の長さ」も一助になっている筈。
「のぞみは無くとも、ひかりはある!」と胸を張って言えるのが、静岡の鉄道食文化です。

とびだす!!新幹線キッズランチ

とびだす!!新幹線キッズランチ

昔も今も子供たちが大好きな「新幹線」。
そんな子供たちのための新幹線駅弁が、静岡駅に登場しています。
明治22年創業、静岡駅弁「東海軒」が調製する、その名も「とびだす!!新幹線キッズランチ」(780円)。
包装には東海道新幹線の顔・N700系がドーンと現れました。
静岡県中西部の地図や富士山も描かれ、静岡の駅弁をアピールします。

とびだす!!新幹線キッズランチ

とびだす!!新幹線キッズランチ

【お品書き】
メープルクロワッサン
メロンパン
ハンバーグ
海老フライ
スパゲティ
焼売
ポテトサラダ
ゼリー
チェリー

包装を開けると、折りたたまれていたN700系が「とびだして」来るパッケージ。
中味は容器を横にスライドして取り出します。
小さい子供たちには、このちょっとした遊び心がイイんでしょうね。
この容器、どこかで見たなぁと思っていたら、8月に紹介した同じ東海軒の「きかんしゃトーマス弁当」でも使われていました。
東海軒によりますと、実はこのトーマス弁当が子供たちに人気を博したこと、加えて静岡駅にこれまで子供向けの駅弁が無かったことから、新作駅弁の開発と相成ったそうです。

https://www.1242.com/lf/articles/14394/

とびだす!!新幹線キッズランチのメロンパン

とびだす!!新幹線キッズランチのメロンパン

画期的なのは、駅弁に「メロンパン」が入ったこと!
私自身、今まで「東海軒=老舗=お米」のイメージだったのですが、一気に「メロンパン」とは!
「とびだす」と銘打っていますが、中身はタイトル以上に「突き抜けて」ます。
東海軒によりますと、パンを入れるにあたって、開発者の方が半年以上様々なパンを食べ歩いたそう。
子供たちの小さな口にも合うように、パン自体の大きさにもこだわりました。
子供向けの商品を作る上では、大人が真剣じゃないと見透かされてしまうんですよね。
私自身、女児向けアニメシリーズの制作現場を取材したことがありますが、子どもが相手であればなおさら妥協が許されない空間でした。
駅弁でもアニメでもモノづくりの世界では「子どもだからこそ真剣に作る」というのは共通の哲学なんでしょうね。

東海軒のロングセラーに、甘い鯛のそぼろが載った駅弁「元祖鯛めし」があります。
実はこの駅弁も、明治時代に「子供たちに喜んで駅弁を食べてほしい」という思いから生まれました。
思いは明治、大正、昭和、平成と受け継がれ、100年以上も売れ続ける駅弁になりました。
その意味でも、今回の「とびだす!!新幹線キッズランチ」は、東海軒の原点回帰ともいえそう。
年末年始、親子で静岡エリアの新幹線に乗る際は、よきお供になってくれそうです。

(取材・文:望月崇史)

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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