新神戸駅「あっちっち但馬牛すき焼き弁当」(1,400円)~名物駅弁がバージョンアップ!【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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N700系新幹線

N700系新幹線

山陽新幹線・新神戸駅にカーブを描いて入ってきたN700系新幹線。
新神戸駅は六甲の山の中、トンネルとトンネルの間に作られた駅。
東海道線(JR神戸線)・三ノ宮駅へは、地下鉄で1駅・2分です。
現在は「のぞみ・ひかり・こだま・みずほ・さくら」の全列車が停車。
朝ドラでも注目される神戸の街の玄関の役割を果たしています。

あっちっち但馬牛すき焼き弁当

あっちっち但馬牛すき焼き弁当

新神戸の名物駅弁といえば、何と言っても「あっちっちすき焼き弁当」。
実はこの駅弁、ニッポン放送の栗村アナウンサーによると、オリックス時代のイチロー選手が遠征時、新神戸駅ホームの売店でしばしば購入していたそうです。
私も『久しぶりに食べたいなぁ・・・』と思い、西日本エリア定番のネットによる「駅弁とりおきサービス」を活用!
売れ筋の駅弁は夕方に行ってもまず手に入らないので、予約がお薦めです。
すると、暫くして調製元の「淡路屋」さんから私の携帯に電話が・・・。

淡路屋:あの~望月さま、「あっちっちすき焼き弁当」なんですが、販売を・・・。

望月 :まさか無くなっちゃったんですか???

淡路屋:終了いたしました。

望月 :エッ、エ~!!!

淡路屋:で、本日から但馬牛を使用した「あっちっち但馬牛すき焼き弁当」になりました。
これに伴って、価格が「1,400円」に変更となったんですが・・・。

望月 :メッチャ食べたいです!!(即答)

いやぁ、こんなリニューアルのタイミングでスグにいただけるとは、またまた「駅弁の神様」が降りてきたようです。
11月29日「いい肉の日」にバージョンアップされたばかりの駅弁、さっそくご紹介です。

あっちっち但馬牛すき焼き弁当

あっちっち但馬牛すき焼き弁当

ネーミングにある「あっちっち」とは「加熱式容器」を使った駅弁のこと。
いわゆる石灰を水と反応させて、蒸気の力で駅弁を温めます。

実は「淡路屋」は、1980年代半ばから加熱式駅弁を販売しているパイオニア的な存在。
それまで駅弁が持っていた「冷たい」イメージを大きく払拭しました。
この成功が「肉駅弁」を大きく進歩させたことは間違いなく、仙台の牛たんの隆盛も加熱式駅弁あってこそだといいます。

あっちっち但馬牛すき焼き弁当

あっちっち但馬牛すき焼き弁当

今回のバージョンアップで、牛肉が「但馬牛」となりました。
加えて、白いご飯や玉子も「兵庫県認証」のものに・・・。
包装のふたにも「TAJIMA BEEF」の文字が大きく燦然と輝きます。
やはりいい肉は心地よい歯ざわりの柔らかさですし、白いご飯も美味しい!
改めて温かい「すき焼き」を駅弁でいただける有難さを感じます。

あっちっち但馬牛すき焼き弁当

あっちっち但馬牛すき焼き弁当

従来もそうでしたが「あっちっち但馬牛すき焼き弁当」が凄いのは「生卵」が入っていること。
熱を通さないシートで包れ、封をしたまま加熱しても全く破損しないように工夫されています。
そして何より、列車の中でコンコンと音を立てて生卵を割る時の優越感がたまらない!!
加えて「生卵を安心して食べられる」のも、立派な「日本文化」ではないかと思います。

「あっちっち但馬牛すき焼き弁当」は「弁当・加熱式容器・生卵」という日本文化の誇りをもたっぷり詰め込んだ駅弁なのです。

(取材・文:望月崇史)

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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