和歌山駅「紀州玉手箱(きん)」(2,000円)~特急「くろしお」で南紀州へ【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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289系特急「くろしお」

289系特急「くろしお」

和歌山駅に入ってきたのは、紀勢本線の特急「くろしお」
「くろしお」は新大阪から天王寺・和歌山を経由して、黒潮洗う南紀へ向かう特急です。
去年投入された289系電車は、北陸特急「しらさぎ」からの転用車両。
南紀らしいオーシャンブルーのラインを巻いて、主に新大阪~白浜間で運行されています。
登場から1年あまり、この顔も少しずつ紀州路に馴染んできたようです。

283系特急「くろしお」オーシャンアロー車両

283系特急「くろしお」オーシャンアロー車両

一方、今年で登場から20年を迎えたのが283系「オーシャンアロー車両」。
平成8(1996)年、「海と太陽が大好きな列車」をキャッチフレーズにデビュー。
昔のアイドルのような”キャッチフレーズ”があったのも、JR初期ならではですね。
特徴的なのは、何と言っても「太平洋のイルカ」をイメージしたという先頭車。
現在は紀勢本線唯一の振子式車両として、新大阪~新宮間を中心に運行されています。

「くろしお」の乗車位置案内

「くろしお」の乗車位置案内

ホームの「くろしお」乗車位置には、可愛らしいパンダが・・・。
「くろしお」の大事な任務は、南紀・白浜へのお客さんを運ぶこと。
白浜といえば、温泉とパンダのリゾートですもんね。
日中、新大阪~白浜間は、ほぼ毎時1本の「くろしお」が運行。
新幹線と接続して、新大阪からはおよそ2時間半の旅となります。

「紀州玉手箱(きん)」

「紀州玉手箱(きん)」

そんな「くろしお」も全列車が停まる紀勢本線の拠点・和歌山駅。
明治時代からこの地で駅弁を販売するのは「和歌山水了軒」です。
今も和歌山駅東口に本社を構え、西口改札脇などの売店で販売。
阪和自動車道の紀ノ川SA(上り)なども手掛けています。

今回は紀州の幸がたっぷり詰まった「紀州玉手箱(きん)」(2,000円)を賞味。

「紀州玉手箱(きん)」

「紀州玉手箱(きん)」

【お品書き】
熊野牛茸オイスター焼き
鮪の角煮
玉子焼き
梅鯛の金山寺味噌焼き
豚照り焼き
太刀魚梅肉揚げ
梅鶏照り焼き
高野豆腐
ほうれんそうとシメジのゴマ和え
みかん
鶏そぼろ
鯛寿司
山葵寿司
こけら寿司(錦糸玉子、白魚、紅たて)
梅干し

看板メニュー「鯛寿司」も入った和歌山水了軒のオールスター駅弁。
肉も牛、豚、鶏揃い踏みで、ご飯が足りなくなりそうなくらいおかずたっぷりです。
加えて和歌山は南高梅に代表される梅の里ということで、味付けも梅が大きな存在感。
勝浦の「鮪」、デザートのみかんシロップ漬けも和歌山らしさを感じさせます。
量を絞った廉価版の「ぎん」もあるので、ケースに合わせて選んでみては・・・。

287系「くろしお」

287系「くろしお」

283系、289系と共に「くろしお」の主力として活躍するのが287系電車。
3つの「くろしお」の中では最新鋭で、快適性に主眼を置いた車両となっています。
コチラも新大阪(一部は京都)~新宮間で活躍中。
白浜の歴史ある温泉と可愛らしいパンダ、勝浦の船で行く温泉もありますし、春先には南部(みなべ)の梅が見ごろを迎えます。
駅弁片手に冬でも暖かい南紀の海を眺めに出かけてみては!?

(取材・文:望月崇史)

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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