伊豆への鉄道旅の定番、251系電車の特急「スーパービュー踊り子」。
“乗った時からそこは伊豆”をコンセプトに、平成2(1990)年から走っています。
特に山手エリアの人に使いやすいのが、JR初期から設定されている新宿(池袋)始発の列車。
池袋駅利用者の筆者も、週末の池袋9:16発の「スーパービュー踊り子3号」をよく使います。
熱海まで乗り換えなしで1時間半あまり、伊豆急下田まではおよそ3時間の旅となります。
冬の伊豆は、「花」がいっぱい!
年末年始から1月にかけては、下田・爪木崎の「水仙」。
2月に入れば、「河津桜」のシーズンを迎えます。
また、熱海は「梅」が有名ですが、実は「あたみ桜」もあってライトアップが行われています。
あったかい温泉に入って花を愛で、春を感じる・・・寒い時期はやっぱりコレでしょ!
そんな伊豆への“花”旅のテンションを高めてくれそうな、期間限定駅弁が登場しています。
「大船軒」が調製している、その名も「伊豆うらら花(か)弁当」(1,080円)!
1月から3月末まで行われているJR東日本の「伊豆・箱根・湯河原 温泉いっぱい花いっぱいキャンペーン」とのタイアップ駅弁です。
掛け紙にも、エリア内の小田原、湯河原、熱海、伊東の各駅長さんお薦めの文字が躍ります。
【おしながき】
伊豆産黒米入りごはん
小田原ちん里うの梅干し
あおさごはんの桜海老のせ
駿河湾しらすのごま油炒め
伊豆産椎茸とこんにゃく、人参の甘煮
三島甘藷のコロッケ
桜海老しんじょうの山葵マヨネーズ焼き桜花のせ
金目鯛柚庵焼き
炙り〆鯵のもやし添え
ほうれん草入り玉子焼き
桜大根の漬物
伊豆ぐり茶の自家製羊羹
伊豆エリアを中心に“静岡のいいところ”を、センス良く詰め込んできた印象です。
駿河湾の桜海老、しらすを活かしながら、真薯にしたり油炒めにするなどひと工夫。
伊豆ゆかりの金目鯛、椎茸なども使いつつ、大船軒十八番の食材、「鯵」は炙ってきました。
華やかな掛け紙、少量に抑えられた中身、女子旅にも良さそうな駅弁。
静岡出身者としては、この駅弁を神奈川の会社に作られたのがちょっと悔しいところですが、他の県の方から見たほうが、その地域の「いいところ」には気付きやすいこともあるんですよね!
冬旅の魅力は、何と言っても空の色と海の色!
空気が澄んでいるだけで、車窓は普段の何倍もキレイなんです。
よ~く冷え込んだ朝こそ、エイヤッと早起きして「踊り子」の人に・・・。
小田原の先、この海を眺めて渋滞する車を抜き去っていけば、一気にテンションが上がります。
今週は、東京より“ぬるい”空気を感じながら、静岡エリアを回っていきたいと思います。
(取材・文:望月崇史)
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/