東海道線・名古屋地区で活躍する311系電車。
平成元(1989)年のデビューで、東海地区の在来線では初めて最高時速120キロで営業運転を実現した車両でもあります。
特別料金不要の車両では珍しく、緑色の公衆電話が設置されていたのも特徴。(今は撤去)
当時は「新快速」での運行でしたが、今では普通列車での運行が中心となっています。
平成27(2015)年からは、電化した「武豊線」に311系電車が入線する時間帯も・・・。
武豊線は、東海道線の大府から分かれ、知多半島の武豊まで行く路線。
実は東海道線より早く全通し、去年で開業130周年を迎えた歴史ある路線なんですよね。
この辺りの歴史については、改めてご紹介したいと思います。
ちなみに「武豊」は、「たけとよ」と読みます・・・念のため。
(参考:武豊町ホームページ)
東海道線・名古屋地区は、快速列車のバリエーションが豊富な区間でもあります。
停車駅が少ない順に並べると、基本的に『特別快速<新快速<快速<区間快速<普通』。
最上位の「特別快速」は、金山~刈谷間20キロあまりをノンストップ・15分弱で結びます。
首都圏ですと、東京~鶴見間に相当しますから、その韋駄天ぶりが伺えますよね。
少数派の311系電車ですが、特別快速をはじめ、まだまだいろんな快速で活躍しています。
311系電車がデビューした平成元(1989)年は、「世界デザイン博」が開かれ金山総合駅が開業、東海道線も「金山」に停車するようになり、名鉄の駅も併設された年です。
そんな金山にあるのが、名古屋コーチンの名店「一鳳(いちおう)」です。
この「一鳳」と名古屋駅弁の「松浦商店」がコラボした駅弁が、去年7月25日から販売されています。
その名も「名古屋コーチンひつまぶし おはちコーチン」(1,350円)です。
この駅弁、ちょっと珍しい名古屋コーチンの「ひつまぶし」!
帯を外し、ふたを開けると、丼は2層構造になっていて、上皿には名古屋コーチンの照焼きをはじめとしたおかずが載っています。
その上皿を外した下に「松浦商店」御自慢の「とり御飯」が現れるという仕掛けなんですね。
1膳目は松浦商店の「とり御飯」をそのまま、2膳目は名古屋コーチンを載せていただきます。
3膳目で薬味のわさび・山椒を入れ、〆の4膳目はお茶漬け出汁でサラサラっと・・・。
食べきった時の満腹感と、口元のサッパリ感が心地いい!
この「おはちコーチン」は、一鳳で出されている名物メニューです。
松浦商店によると、名古屋コーチンの名店とのコラボ商品を考案していた中で、一鳳のお薦めメニューの駅弁化で話がまとまり、昨年夏の発売にこぎつけたそう。
「ひつまぶし」のいいところは、何と言っても「いろんな味が楽しめる」点。
実際に食べたお客さんにも、多彩な味が楽しめる点が好評を博しているようです。
駅弁としてはちょっと変化球の、名古屋コーチンを使った「ひつまぶし」。
次、名古屋に来る時は、お店にも足を運んでみようかなと思わせてくれる駅弁です。
(取材・文:望月崇史)
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/