ハーネス派?首輪派?快適散歩のススメ【ペットと一緒に vol.13】

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みなさんは愛犬の散歩では、ハーネスを使っていますか? 我が家は、1頭はハーネスで、もう1頭は首輪で散歩をしています。
その理由と、それぞれのメリットについて今日はご紹介したいと思います。

ハーネスは引っ張り癖がつく!?

ハーネスは引っ張っても犬が苦しさをあまり感じないため、もともとリードを引っ張る傾向のある犬では、引っ張り癖がつくと言われることがあります。
我が家の活発なテリアは、散歩がうれしくて「飼い主、遅いってば。はやく来てー」と、テンション高めでぐんぐん前へ進もうとするタイプ。しかもミィミィは、母犬のリンリンよりもなぜか先に立ちたいようです。
愛犬であるノーリッチ・テリアは、フレンチ・ブルドッグやパグなどの短頭種ではありませんが、呼吸器トラブルに注意が必要な犬種。リードが引っ張られると首輪が喉にダメージを与えてしまうので、ミィミィの散歩は早々にハーネスに切り替えました。

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「はやく外に行きたいな。ベストタイプのハーネス着用だよ」

それと同時に、お散歩デビューのころから、歩きながらときどき名前を呼んで、愛犬の意識が私に向いて目が合ったらすぐに「そう~♪ いいコ~」と言いながらオヤツをあげることを繰り返しました。
ちょっとでも前に行き過ぎたと思ったらすぐに「ミィミィ!」と、名前を呼びます。私のもとへ戻ってきて、私の顔を見ながら横について歩けたら「そう! そう!」というOKサインを出しながら、オヤツをあげます。
それを数週間~数カ月繰り返せば、ミィミィは散歩中に名前を呼べば、すぐにウキウキ顔で私の横につき、オヤツが出てくるまで私の目を見つめながら歩くようになりました。

おわかりかと思いますが、ハーネスで散歩をしていても、名前を呼ばれたら飼い主に意識と体が向くようになれば、引っ張りぐせが強化されてしまうことはありません。

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ハーネスでも首輪でも、飼い主さんとこんな風に意思疎通ができれば心地よく散歩できます。※ニューヨークにて筆者撮影。

なぜハーネスがよい?

ミィミィは先日8歳になりましたが、母犬とずっと一緒に暮らしてきたことも影響しているのか、精神的に幼い! そんな、万年パピーのようなところが、飼い主としてはかわいくもあるのですが……。
かわいがってくれる人を見つけると、耳を寝かせて口を開けながら笑顔で、やはり引っ張りつつ寄っていきます。
「オスワリ」などをさせて、その人が来るまで待たせないという飼い主のせいでもありますが。完全に引っ張らないで散歩をするのは、ミィミィに関しては「ま、いっか」と思う部分も私にあるため、結局はハーネス派となりました。

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種類豊富なハーネスは、愛犬にベストマッチな1本を探してあげて。

もともと体の構造的に呼吸器にトラブルを抱えやすい短頭種はもちろんですが、ミィミィのように、明るく元気で人懐っこく、うれしくなるとウハウハになるタイプの犬には、ハーネスの利用をおすすめします。

ハーネスの種類は多彩。引っ張りを軽減させる効果のあるハーネスなどもあります。また、ベストのように体を包み込むタイプもあります。ベストタイプには、保冷剤を入れられるポケットがついていて、夏には体を冷やす役割を負ってくれるものも。
愛犬の体型などに合わせて、試着しながら愛犬が動きやすそうなハーネスをぜひ見つけてみてください。

ちなみにミィミィがつけているのは、「Tタッチハーネス」と呼ばれるような、体のバランスを取る手助けをしてくれるタイプです。ただし、私はTタッチに関してはまったくの素人なのでうまく使えているかは不明ですが、愛犬は快適そうに散歩をしています。

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愛犬ミィミィはTタッチハーネスで散歩に。

首輪のよいところは?

なぜもう1頭のリンリンはハーネスではないのかというと、切り替えるタイミングを逃したからです。11年前は、ハーネス派より首輪派が主流で、今ほどハーネスの種類も豊富ではありませんでした。
そのため、リンリン自身も首輪で慣れてしまったようで、一度ハーネスで散歩をしてみたことがあるのですが「ん? なんか、ロングリードにしてもらってボールを追いかけているとき、脇の下とかがゴソゴソするし気になるんですけど……」と、顔で訴えられた気がしました。
どうも本犬が首輪のほうが軽装備で心地よさそうに歩くというのが、最大の理由です。そもそも、ほとんど引っ張ることがないリンリンには、ハーネスのメリットがあまり感じられないのも事実。

首輪選びの最大のポイントは、愛犬が快適かどうか。
犬の体のケアの専門家によく聞くのですが、ハーフチョークなど、金属の重みのある首輪の使用によって、首や肩が凝っている犬も少なくないとか。重い首輪のせいで、頭が下方に垂れてしまわないように注意してあげたいものです。

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大型犬用のしっかりしたハーネス。迷子札がついた首輪もして出かけるところ。

また、動物愛護先進国では使用を控えるように周知されている、犬が引っ張ると首に苦痛を感じるようなトレーニング用の特殊な首輪は、家庭犬には不向きでしょう。

まずは、散歩タイムを飼い主さんも愛犬ももっと楽しめるように、飼い主さんの言葉に屋外でも耳を傾けられるようになる練習をし直してみてはいかがでしょうか?
そして、愛犬が快適に散歩できそうなハーネスか首輪を、散歩日和が続く春に向けてぜひ選び直してみるのをおすすめします!

連載情報

ペットと一緒に

ペットにまつわる様々な雑学やエピソードを紹介していきます!

著者:臼井京音
ドッグライターとして20年以上、日本や世界の犬事情を取材。小学生時代からの愛読誌『愛犬の友』をはじめ、新聞、週刊誌、書籍、ペット専門誌、Web媒体等で執筆活動を行う。30歳を過ぎてオーストラリアで犬の行動カウンセリングを学び、2007~2017年まで東京都中央区で「犬の幼稚園Urban Paws」も運営。主な著書は『室内犬の気持ちがわかる本』、タイの小島の犬のモノクロ写真集『うみいぬ』。かつてはヨークシャー・テリア、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らす。東京都中央区の動物との共生推進員。

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