名バイプレイヤー大杉蓮主演作『グッバイエレジー』【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第177回】

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さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、3月25日から公開された『グッバイエレジー』を掘り起こします。

北九州市でオールロケを敢行、誰もが心に描く“故郷”に出会う。

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“バイプレイヤー”と呼ばれる俳優たちが注目を集めています。
ドラマ、映画、演劇などの重要な役どころを魅力的に演じる、バイプレイヤーズ。
「脇役」と一言で片付けるには勿体ほどの活躍を見せており、人気も主役級の存在感。
日本映画界を代表する名バイプレイヤー、大杉蓮が主演を務める映画が公開となりました。

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中学時代の親友・井川道臣の訃報を受けて、数十年ぶりに故郷・北九州市に帰ってきた映画監督の深山晄。
懐かしい街並みを歩きながらその胸に蘇るのは、数々の故郷の記憶と、道臣との懐かしい日々。
晄は母や映画館〈昭和館〉の館主となった後輩の山口淳子らと語らううちに、この街の行く末や道臣が歩んだ波瀾万丈な人生を知ることに。
彼の生き様をたどるうちに、改めて道臣の存在の大きさを感じた晄。
そして「映画でもう一度、道臣と会いたい」という思いが募り、その生きざまを映画にしようと脚本の執筆に取りかかる…。

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福岡県北九州市を舞台に、故郷を捨てた男が中学時代の友人の死をきっかけに帰郷、自身の人生を見つめ直すヒューマンドラマ。
北九州市出身の三村順一が監督・脚本を兼任。
故郷を舞台に半自伝的なエピソードも盛り込み、男のロマンと哀愁に満ちた作品となりました。

主演は、実年齢に近い役で円熟の輝きを放つ大杉蓮。
いまは亡き親友に吉田栄作、その妻に石野真子、映画館の館主に藤吉久美子、さらに中村有志、仁科亜季子、大和田獏、佐々木すみ江とベテラン俳優たちが集結。
着実にキャリアを重ねた俳優たちの演技は味わい深く、観るほどに心に沁み入ります。

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北九州市は昭和レトロな街並みが注目され、これまでに200作品以上の撮影が行われた「映画の街」としても有名。
本作は同市でのオールロケが敢行され、映画館〈小倉昭和館〉のほか、昔ながらの商店が軒を連ねる栄町銀天街、緑深い山間に佇む石造りのめがね橋、重要文化財にも指定されている門司港駅など、日本人の心の故郷とも呼べる懐かしい光景が映像に焼き付けられています。

人生半ばを過ぎても「生き直す」ことは出来る。勇気と未来への光明に満ちた作品です。

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グッバイエレジー
2017年3月25日から有楽町スバル座ほか全国順次ロードショー
監督・脚本:三村順一
出演:大杉蓮、石野真子、中村有志、仁科亜季子、大和田獏、森田順平、森永悠希、遠藤健慎、飛葉大樹、佐々木すみ江、藤吉久美子、吉田栄作 ほか
©2017「グッバイエレジー」製作委員会
公式サイト www.goodbyeelegy.com

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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