さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。
今回は、5月12日から公開の『スプリット』を掘り起こします。
シャマラン節全開のサイコスリラー
クラスメートのバースデー・パーティーに出かけた帰り道、車で家まで送ってもらうことになったケイシー、クレア、マルシアの女子高生3人組。
だが突如見知らぬ男が車に乗り込み、3人は眠らされ、拉致されてしまう。目覚めた場所は、殺風景な密室。
3人が必死で脱出方法を思案していると、ドアの向こうからさっきの男と女性の声が聞こえてきた。
「助けて!」と、少女たちは声をあげるが、姿を現したのは、女性の洋服を着て女性のような口調で話す男だった。実は彼には、23もの人格があり、ひとりの体の中で人格が激しく入れ替わっていくDID(解離性同一性障害)だった。
そんな男に、もうひとり“24人目”の人格が現れ…。
M・ナイト・シャマラン監督と言えば『シックス・センス』などに代表されるように、衝撃的なストーリー展開と驚愕のどんでん返しがウリの鬼才監督。
以前から複数の人格を持つキャラクターが登場する新作を構想してはいたものの、ハリウッドシステムの元ではなかなか実現しなかったとか。
本作はシャマラン自身が監督・製作・脚本をこなしたサスペンス・スリラー。
シャマラン節全開の痛快な作品が完成しました。
23もの人格を持つ謎の男を演じるのは、『X-MEN』などのエンターテインメント作から『つぐない』のような文芸作品までこなす演技派、ジェームズ・マカヴォイ。
次々と人格が入れ替わり変貌する様は、とにかくヤバい!そして、気色悪いっ!!
表情はもちろん、声のトーン、使う言葉、立ち振る舞い、仕草までまるで別人なのです。
坊主頭に眼鏡姿が凛々しい男性かと思いきや、時に女装、時にスポーツウェア姿で9歳の子どもに、クルクルと目まぐるしく変化するマカヴォイ。
スクリーンの中では女子高生たちが混乱し、客席では観客も大混乱〜!!
『羊たちの沈黙』のハンニバル・レクターや『ダークナイト』のジョーカーを彷彿させるようなクレイジーぶり、一見の価値ありです。
観客があれこれ予想しても、その予測どおりにいかないのがシャマラン映画。
本作も例外ではなく、驚きのラストが…。
シャマラン映画のファンなら、おぉっ!と声をあげたくなる衝撃が待ってますよ。
スプリット
2017年5月12日から全国ロードショー
監督・脚本:M・ナイト・シャマラン
出演:ジェームズ・マカヴォイ、アーニャ・テイラー-ジョイ、キム・ディレクター、ブラッド・ウィリアム・ヘンケ、ベティ・バックリー、セバスチャン・アーセラス、ジョリーナ・メルカド、ピーター・パトリキオス ほか
©2017 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.
公式サイト http://split-movie.jp/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/