【新人記者(仮)あいばゆうなの取材記】6月26日(報道部57日目)
6月26日。私は東京・渋谷の将棋会館へ向かいました。
午前10時から藤井聡太四段(14)と増田康宏四段(19)による竜王戦決勝トーナメント初戦でしたが、30年前に神谷広志八段が達成した最多連勝記録28連勝を超える、29連勝がかかった試合ということで、会館前には朝から報道陣がおよそ40社、100人ほどが詰めかけました。
報道陣だけではなく、会館前には記念に写真をとる将棋ファンの方が朝から入れ替わり立ち替わり、常に十数人いる状況。
藤井四段を一目見られると思って来たというご夫婦は、見られないと知ると、とても残念そうに帰って行かれました。
またお子さんに将棋を習わせているというお父さんは、自分自身も将棋を習っていたということで、集中力や礼儀正しさが自然に身につくので習わせていると話していました。
またこの日の午前中には藤井四段のグッツ第二段のファイルが1,000枚追加販売され、ファイルを買いに会館を訪れる人もいました。
この対局の日に追加販売になったのは偶然ということですが、13時半過ぎには完売していました。
最後に残り3枚のファイルを買った、将棋歴3年の高校生の男の子は、前回販売された時には学校があったために買えなかったということで「今回は学校が早く終わったから買えた」と嬉しそうに話していました。
昼には、各局、気になる勝負飯の取材をしていました。その日は2人とも、そば、うどん、和食の「みろく庵」というお店の出前をとり、藤井四段が豚キムチうどん950円、増田四段がミニカツ丼定食1,000円を食べたということでした。
私も会館の1階で情報収集をしていた際「みろく庵」の配達の方が急いで入っていく姿を見かけました。
一階にいる会館の職員とは顔なじみのようで、職員が「今日の配達は何回目ですか」と声をかけると「何回目だろう、大変だ」などと答え、笑いが生まれる場面もありました。
この「みろく庵」は棋士御用達のお店ということで、藤井四段は麺類をよく頼まれるそうです。
藤井四段が昼ごはんに食べた豚キムチうどんは、その日はすぐに売り切れたとのことです。
私は昼過ぎからは対局をネットで見つつ、会館前で見に来た方にインタービューして、そのあと17時に会館前から生中継レポートをしました。
初めての生中継レポートで、スタジオではなくて現場から伝えるべきトピックスはどういうものなのか、非常に悩みました。
少しずつ経験を積んで、整理して伝えられるようになれればと思います。
その日の夜には無事、藤井四段の29連勝が決まりました。それを受けて私は朝、通勤中の方に有楽町イトシア前でインタビューをしました。
藤井四段の将棋を「AIみたい」という人や、「自分の子供も同じくらいの年だけれど、本当にすごい」、「このまま30連勝まで行ってほしい」と、驚く声や応援する声が多数聞かれました。
次の対局は来月2日です。これから連勝記録をどこまで伸ばしていくのか、目が離せません。