もしも、あなたが泳いでいる海の底に海底都市があったとしたら…
沈没船が眠っているとしたら…、ちょっとワクワクしませんか。
実は最近、海中に眠る海底都市や沈没船などの「水中遺産」から、人類の歴史や進化を調査・研究する『水中考古学』が注目されています。
考えてみれば、地球のおよそ7割は「海」。
地上と同じように海に眠る遺産も重要であるのは当然のことですよね。
これまでに発見された水中遺産には、エジプト『クレオパトラの海底宮殿』やジャマイカの『ポート・ロイヤル』など、海底都市と言われるものもあれば、大航海時代の貿易船・ガレオン船や難破船などの沈没船もあります。
水中に沈む遺跡は、水の層に守られていて、比較的保存状態が良いとも言われ、考古学的に価値の高いモノが多いそうです。
昔は水中遺産というと、宝探しの対象になることが多く、宝のために遺跡や沈没船を壊されることも少なくなかったそうですが、それでは人類の貴重な遺産が失われてしまいます。
そこで徐々に広まってきたのが「水中考古学」という学問であり考え方。
2009年には、ユネスコも「水中文化遺産保護条約」を発効。
水中遺産を人類の貴重な足跡を示す存在として、保護対象としました。
日本でも、今年4月には、長崎県松浦市の鷹島に国内初の『松浦市立水中考古学研究センター』が誕生するなど水中考古学への関心がどんどん高まっています。
長崎県松浦市の鷹島は、2012年に水中遺跡として日本で初めて史跡に指定された『鷹島神崎遺跡』がある場所。鎌倉時代の蒙古襲来の舞台にもなった場所で、2011年には海中から、当時の「元の船」が発見されています。
ほかにも、日本では伊豆・初島沖で「徳川家の葵の御紋が入った瓦」が発見されたり、日本最大の湖・琵琶湖の湖底では、江戸時代後期に水没したとみられる「建物の跡」も発見されています。いずれも歴史的な発見です。
日本の水中遺跡の数は450を超えると言われます。
この夏、あなたが泳ぐ海の底にも存在しているかもしれませんよ…。
7月6日(木) 高嶋ひでたけのあさラジ!「三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より