8/4(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③
「最優先すべきは経済の再生」で支持率回復なるか
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター宮家邦彦(元外交官・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)
憲法改正案は軌道修正「スケジュールありきではない」
安倍総理大臣)あの政権交代の時の強い使命感と、高い緊張感を内閣全体として思い出し、あの原点にもう一度立ち返らなければなりません。最優先すべき仕事は経済の再生です。この内閣はいわば結果本位の仕事人内閣であります。
第3次安倍第3次改造内閣が昨日発足しました。安倍総理大臣は記者会見で今回の内閣を「仕事人内閣」と命名し、経済最優先でデフレ脱却を目指すことを強調しました。しかし今回の顔ぶれについては守り重視という見方も多く、支持率回復につながるかは不透明です。
遠藤竜也デスク)総理が冒頭に頭を下げるというケースは初めてではないでしょうか。19人の閣僚の平均年齢61.6歳で第2次改造内閣よりも0.8歳年齢が上がりまして、第2次安倍内閣以来初めて40代の閣僚がいなくなりました。これを見ても安定性とか経験重視と言えると思います。テーマは信頼回復と経済の最優先。秋の臨時国会に自民党の案を提示する方針でした憲法改正案につきましてはスケジュールありきではないと軌道修正して先送りとなりそうです。それでは今回の19人の閣僚の中から注目された大臣の発言をご紹介します。
まず、混乱した状況を落ち着かせて欲しいと安倍総理が起用した経験者の2人、森友学園、加計学園問題で揺れに揺れた文部科学省ですが、その文部科学大臣に選ばれた林芳正さんは文部科学省についてこう話しています。林芳正文部科学大臣)省内の国民に対する信頼というもの、万全の体制ではないことは皆さまご承知の通りでありますので、しっかりと職員とも意思疎通を測りながらいっそう丁寧な説明に心がけてこの信頼を一つずつ丁寧に取り戻していく。このことに心砕いていきたいと思っております。
遠藤)信頼を取り戻すという発言でした。次に南スーダンPKOで未だに混乱しています防衛省ですが、二度目の防衛大臣の登板となりました小野寺防衛大臣は、北朝鮮の核ミサイル開発が想定以上のペースで進んでいることから、防衛大綱の見直しと信頼回復を強調しています。
小野寺防衛大臣)厳しさを増す我が国の安全保障環境を踏まえ、大綱の見直しや次の中期防の検討を行う。日本問題のようなことが再び起こることが無いように再発防止を徹底し、国民の信頼回復に向け、全力で取り組む。南スーダン派遣使節隊については、今後同様の事案が発生しないよう抜本的な対策を講じて国民の皆様の信頼回復に務めて参りたいと思っております。
目玉の河野外務大臣と野田総務大臣森田)先程高嶋さんが言われた目玉と言われた2人の閣僚です。まず従軍慰安婦問題で父親であります河野洋平さんが発表しましたいわゆる「河野談話」が安倍政権の戦後70年談話と相容れないとも言われまして、内閣に入ることは無いと言われておりました河野太郎さんですが、外務大臣になりました。就任会見では、この質問にこう話しまして、政府の考え方と大きな違いは無いこと、安倍政権の方針に従う考えを示しています。
河野外務大臣)政府の慰安婦問題に関しては、総理の戦後70年の談話、それと岸田外務大臣のときに、両国政府が確認した日韓合意、それに尽きると思っております。日韓合意が着実に進展されることが望ましいと思っております。
森田)最後に、来年の総裁選を目指すということでここ数年安倍総理とは距離を置いておりました、野田聖子総務大臣なんですが、「なぜ安倍総理は野田さんを起用したと思うか」という質問に対して、相変わらず直球勝負の発言をしております。
野田総務大臣)君子豹変ということでしょうか。私はいろいろ直接話をします。ですから総理も何度も私が言うことに対して嫌な顔をされました。でも私は自民党の予算っていうのは、幅の広さというかウィングの広さでいろんな意見があって、そこでその党内で自由闊達に民主的にお互いいろんなことを言い合えたはずなのに、若干それが失われつつあるかなという心配があったので、私自身が言い続けた次第です。
森田)この会見の後、野田さんは記者団に対して「来年の総裁選出馬します」ということでポスター上に早くも名乗りを上げた格好になっております。
高嶋)というわけなんですけども、第一印象はですね、どんな感想をお持ちになりましたか。
宮家)前と比べたら遥かに安定した、何となくボロが出そうもない、すごいなあと言う感じなんですけどね。だったらなんで前にそれやんなかったんですか。
高嶋)(笑)。
宮家)あん時やっときゃあね、今みたいなことにはならなかったかもしれないじゃないですか。なんかちょっとねえ、こういう人たちがいるんだったらもっと続けてやれば良かったなっていう気もしないでもないですけどね。まあ僕は総理じゃないから関係無いけど。
高嶋)河野太郎外務大臣と野田聖子総務大臣を取り上げたいんですけど。河野太郎さん今日の新聞の報道の仕方とか、彼の語ったコメントなんか見てると、意外と柔軟性がある人なんだなっていう。
宮家)意外とどころかありますよ。私個人的には英語も上手いし、英語のジョークもメチャクチャうまいしね。これは外に出しても全然おかしくない逸材だと思いますけどね。
高嶋)野田聖子さんは昨日の段階で来年9月の総裁選に出るって言ってる。
宮家)普通ね、出るんだったら……ていうか、入らないでしょ?どうして、受けていろいろ議論をするんだっていうのは1つの理屈だけど。
高嶋)みんなで反対の意見も全部出して、それで総裁選を戦い合わなきゃダメだって彼女は言ってるんです。
宮家)そんなのケンカじゃないですよね。政治のケンカってもっと厳しいんじゃないですか。そこはちょっと、それだけはびっくりしましたけどね。
出直し内閣?高嶋)それでどうでしょうか。支持率がぐーっと低落傾向になってて、そのへんの焦りというのも安倍さんは当然感じてらっしゃると思います。意地悪な新聞だとね、この改造内閣名付けて「もう間に合わ内閣」とか書いたのもあるんですけど。
宮家)もう間に合わん。
高嶋)これどう思いますか?今、安倍さんの昨日頭下げたあの心境というのはどう読みますか。
宮家)やっぱり、出直しですよね。出直しをちゃんとやらなきゃ僕はダメだと思うから、その意味では7秒か5秒かは別としてね、1つの姿勢を示すことは大事だし。これで支持率が上がるなんて思っちゃいないだろうし思っちゃいけないと思うんですよね。これまず、止めなきゃいけないんですよ。もし……立場からすればね。
高嶋)ほーなるほど。
宮家)止まんなきゃ上がんないんだから。まずは止めるということで、少なくとも仕掛けはできたと思うんですよね。ただ問題は、国民もちゃんと見てますからしっかりと後始末をね。文科省にせよ、法務省にせよ。そうしなきゃいけないと思いますよ。そこに大臣が入ってるわけ。
高嶋)国のレベルで言えばね、森友加計なんていうのはあんなのに関わらず合ってはいけないっていう人もいっぱいいますけども。だけど国民感情としてはね、それをはっきり説明してくれないっていうもどかしさっていうのは相変わらずあって。それで世論調査すると1番最近多いのは、女性の中で「総理の人柄が信用できない」っていう、これが1番になっちゃ話になんないじゃないですか。
宮家)そうですね。
高嶋)それ止まりますかね。
宮家)今までは、総理の数値が下がったのは政策の違いだったんだけども。もし信頼感ということになればね、やはり出直しですよね。これしかないと私は思います。
高嶋)本当そうですね。近々、いろんなとこで世論調査が行われると思いますけども、まず最初の通信簿って言うのはそれになるんでしょうかね。
宮家)残念ですけどね。それが民主主義ですから。そこはやはり大事だと思います。
高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00