姑息の意味は『ずるい』ではない 本来の意味や、誤用される理由は?
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2017年10月30日のニッポン放送のラジオ番組『鈴木杏樹のいってらっしゃい』では、『姑息(こそく)』という言葉が誤用されていることや、本当の意味についてご紹介しました。
姑息の意味は『ずるい』『卑怯』ではない
以前もこの番組でご紹介しましたが、私が特に気になっている言葉の1つが『姑息』です。
『あんな汚い手を使うなんて、あの人は本当に姑息な男だ』といったように『卑怯な』『ずるい』といった意味で使われていることが多いです。
姑息の意味は『その場しのぎ』
しかし、本来の姑息の意味は『一時的に、間に合わせで物事をすること』いわゆる『その場しのぎ』のことです。
ところが文化庁の『国語に関する調査』で『姑息』の意味を本来の『その場しのぎ』と答えた方は、全体の2割にも満たず、逆に『卑怯な』と答えた方は、7割を超えているそうです。
なぜ間違われるようになった?
どうして『姑息』という言葉が『卑怯な』という意味で使われるようになったのでしょうか?
その原因として文化庁では、こう説明しています。
“例えば『姑息なやり方ばかりで、アイツは卑怯なヤツだ』といったような使い方は、本来の意味に沿って考えても、不自然ではありませんよネ。
大切なこと・重要なことについて、正面から取り組もうとせずに、『その場しのぎ』で済ませることは『卑怯』だと見られるのが当然だからです。
このように、意味的に繋がりやすいところがあるため『姑息』という言葉は『卑怯な』という意味で使われるようになったのでは・・と考えられます。”
漢字の由来は
『姑』という言葉には“しばらく”、『息』には“息をついて休む”という意味があります。
そんなところから『姑息』は『その場しのぎ』という意味になったそうです。
こういった本来の意味を知ると、よく使われる「姑息な手段」といった言葉も、違うように聞こえてきますね。
(『スズキ・ハッピーモーニング 鈴木杏樹のいってらっしゃい』 2017/10/30放送分より)