モーツァルト生誕260年を記念した、本格的モーツァルト映画『プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード』

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【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第318回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、12月2日公開の『プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード』を掘り起こします。


二大名作オペラを取り巻く、愛と嫉妬と陰謀のストーリー


幼少の頃から天才と謳われ、数々の名曲を生み出した古典派音楽を代表する音楽家、モーツァルト。シンプルで親しみやすい曲調のものが多いからでしょうか、いまやモーツァルトの楽曲は“リラクゼーション・ミュージック”の定番にもなっています。音楽療法から胎教、中には良質な作物を育てるためにモーツァルトの名曲を畑で流し続ける農家さんも存在するとか。

そんな彼が作ったオペラの映画化や関連作は数あれど、モーツァルト自身を主人公とした映画は希少だということ、ご存知でしたか?モーツァルト映画と言えば『アマデウス』(1984年)が有名ですが、モーツァルト生誕260年を記念して制作されたのが『プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード』です。


1878年、プラハではオペラ「フィガロの結婚」の話題で持ちきりだった。上流階級の名士たちは、その楽曲を担当したモーツァルトをプラハに招き、新作を作曲するよう依頼する。

その頃、三男を病で亡くし失意のどん底にあったモーツァルトは、陰鬱なウィーンから離れるため、喜んでプラハへとやって来る。友人であるヨゼファ夫人の邸宅に逗留し、「フィガロの結婚」のリハーサルと新作オペラの作曲に勤しむモーツァルト。

やがて「フィガロの結婚」でケルビーノ役に抜擢された若いオペラ歌手スザンナの美貌に魅了されるように。そしてスザンナもまた、モーツァルトが妻帯者であることを知りながら、彼の才能に惹かれていく…。


モーツァルトがプラハで名作オペラ「ドン・ジョヴァンニ」を初演したという史実から着想を得て、プラハ上流階級を舞台に繰り広げられる愛と嫉妬の三角関係。史実とフィクションを織り交ぜたストーリーが実に巧みに展開され、愛に生き、愛に傷つき、自身の嫉妬心や復讐心さえも名作オペラへと昇華させていくモーツァルトの並々ならぬ才能を、ダイナミックに表現しています。

主人公のモーツァルトを演じるのは、『ダンケルク』への出演が記憶に新しいアナイリン・バーナード。彼と恋に落ちるスザンナ役には『高慢と偏見とゾンビ』のモーフィッド・クラーク。さらにモーツァルトのパトロンでスザンナを愛人にしようと目論んでいるサロカ男爵を名優ジェームズ・ピュアフォイが演じ、ミステリアスな音楽ドラマを繰り広げます。


映画の鍵となるのが、モーツァルトが作曲した名作オペラ「フィガロの結婚」と「ドン・ジョヴァンニ」。その演奏はプラハ市立フィルハーモニー管弦楽団が務めています。

映画の舞台であるプラハを本拠地とする歴史あるオーケストラの華麗なる演奏にもご注目あれ。


プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード
2017年12月2日からヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
監督:ジョン・スティーブンソン
出演:アナイリン・バーナード、モーフィッド・クラーク、ジェームズ・ピュアフォイ、サマンサ・バークス ほか
© TRIO IN PRAGUE 2016
公式サイト http://mozart-movie.jp/

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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