中国が北極圏を開発する「北極政策白書」を発表~そのワケとは?
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2/1(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①
開発すればユーラシア大陸を囲うような航路が実現
6:30~ニュースやじうま総研!ズバリ言わせて!:コメンテーター山本秀也(産経新聞論説委員)
中国が北極圏を抜ける氷上シルクロードを開設する「北極政策白書」を発表
「一帯一路」構想を進める中国。中国政府は「北極政策白書」として、この現代版シルクロードに北極海を結び付ける方針を1月26日に初公表した。この白書とはどのようなものなのだろうか? ヨーロッパへはどんな影響が考えられるのだろうか?
高嶋)北極や中南米も、習近平さんの経済圏構想の「一帯一路」に組み込まれているそうですね。「北極政策白書」というのも公表されているそうですが、どういう物なのですか?
山本)簡単に言うと、「東アジアにある中国とヨーロッパを結ぶ最短航路はどこ?」となった場合、スエズ運河ではなく、北極海を抜けられたらな、と考えていたら、地球温暖化で氷が溶けてきたので、船は通れるだろうということで、その可能性、今後の見通しを纏めたのがその白書です。
高嶋)新聞に出た地図を見ると、大連を出て、日本から北上してアラスカの横を通りずっと行き、北極点の脇を通って。「北極海航路」と書いてありますが、オランダのロッテルダムに出て、それから地中海やスエズ運河をぐるっと回って、インド洋へ……一周してしまうのですね。
山本)一周してしまうのです。この一周の南回りの方は、一帯一路の「海のシルクロード」と前から言われていた。それを、今度は北の方をくっつけて地球をぐるりと、「ユーラシア大陸を囲ってしまおう」という考えです。
「一帯一路」とすれば予算が通りやすい~ヨーロッパにとって中国は魅力
高嶋)これもそうだし、南米の方も言われると、何か無理矢理な感じがしてしょうがないですね。
山本)まあ、中国内部では各部門ごとに、自分のやっているセクションを無理矢理、大構想の一帯一路にくっ付けるものですから。中の人に聞いてみると、「一帯一路だ!」と言うと、国内の審査は通りやすくなるし、予算は付くし、対外的にはお金が取りやすくなるので、何でもくっつけてしまうのですよ。
高嶋)習近平さんにとっては、非常に耳障りが良い言葉なのですね。
山本)ええ。自分が立ち上げた大構想ですからね。「親分、これは一帯一路ね!」とやれば「よっしゃ、予算だ!」となってしまうわけです。
ですが、この一帯一路、もう皆さんつかみどころがなくなっていると思うのですが、これはやっている側もつかみどころの無い話になっています。実際にやっているのは個別の技術やインフラ、資源などの非常に狭い部門でやっています。高嶋)シルクロードと一帯一路というのは、違うのですか?
山本)伝統的な意味では、シルクロードは陸地をえっちらおっちら通っていくのですが、海のシルクロードとなると、「インド洋をぐるり」となります。今度は北極海も付ける気ですから、いわゆる地理的概念では無くなりつつあるのです。
高嶋)イギリスのメイさんも、この間会談をしてすり寄っている感じがします。
山本)ヨーロッパの中国に対する期待感はすごいですよね。1つは、安全保障上の心配が、日本ほど無い。それと、やはり金回りが良いので、金回りの悪いヨーロッパは「良いことあるかな、ウチのも買ってくるかな」というのもあり、どうしてもくっ付いてしまいますね。
高嶋)ドイツのフォルクスワーゲンが、いま世界一売れている車ですが、あれも中国に入っていって、確実にあそこで売ったのですものね。ある意味での薄気味悪さを感じながらも、中国というものに対しては巨大な市場や13億人の文化が、両方でいろいろ魅惑されているそうです。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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