日銀・黒田総裁再任~日銀が地方銀行から批判される理由とは?

By -  公開:  更新:

2/26(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ①

2/3が赤字の地方銀行
6:32~ニュースやじうま総研!ズバリ言わせて!:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)

金融緩和による金利低下で地方銀行の2/3が赤字

政府は2月16日、黒田東彦総裁の再任案を国会に提示した。大規模な金融緩和による金利低下によって経営を圧迫している地方銀行からは、日銀への批判が出てきているという。

高嶋)日銀の方針も変わらずというようなことで、異次元の金融緩和が続く。これによる副作用というのが取り沙汰されまして、地方銀行の経営を大変圧迫している。今や日銀に対して地銀から怨嗟の声が上がっているということですが。

須田)日銀の役割というのは銀行の銀行なんですね。銀行にとっては頭が上がらない存在だったのですが最近、評判がよくない。講演会などで地方を回って、地銀の頭取とか、あるいは経営者に会うと、今までだったら絶対に口に出さないような言葉を吐く人が増えていまして、「日銀ふざけるな。いつまでこの金融緩和、異次元の金融緩和やってるつもりだ!」と皆カンカンになって怒っているんですよ。
何が起こっているかと言うと、一般の事業会社ではそういった決算項目は無いのですが、銀行には業務純益という項目があります。これは本業での利益。預金を預かってお金を貸す、各種手数料、これが本業です。本業外と言うと、国債のディーリングで儲けましたとか証券投資で儲けましたというものです。本業の利益を見ていくと、驚くべきことに地銀の2/3が赤字です。

高嶋)ここにグラフがありますけど、異次元の金融緩和以来はずっと下りっぱなしですね。

須田)なぜそうなっているのかと言うと、預金金利はゼロに近いかたちまで落ちていますが、貸出金利もゼロに近いかたちまで落とせるのかと言うと、そういうわけにはいかない。貸出金利というのは、預金金利に経費と銀行の利益を足して、貸出金利になるわけですから、それを減らしていくと、経費が掛けられません、利益も減っていきます。このマイナス金利の影響というのは大きく銀行の収益を圧迫するのです。

高嶋)その地方銀行自体が立ちいかない、経営的に非常に厳しい、先はどうなるみたいな危機的状況もあるのですか?

須田)もちろんそうですね。

高嶋)皆がそうなんですか?

須田)ええ。殆どのところがそうです。ですから1/3しか利益が上がってない。その利益だって順風満帆に充分に上がっているわけではありませんから、うすい利益ですから、先行き不透明、そういった中で最近よく、地銀の合併が起こっているじゃないですか。大きくなって、なんとかこの時代を乗り切ろうよという、そういう表れなんですよ。

日銀「体制を変えなかった銀行が悪い」

高嶋)そういうことに対する日銀側の気配りというのは無いのですか?

須田)殆ど無いですね。本来だったら、異次元の金融緩和っていうのは、当初2年で、物価上昇率2%を実現して正常に戻ろうというような言われ方をしたじゃないですか。日銀もそういうメッセージ出していました。
今になって日銀は、「あのとき2年って言ったのは、そんなことは断定的には言ったつもりは無い。長期に及ぶのだから、その体制を整えなかった銀行が悪い」と日銀は銀行批判をしている。お互いもう今バチバチです。

高嶋)昔は銀行ほど固い商売は無いと、そして銀行ほど信じられるところはないと言われていましたが、今は変わってしまったのですね。都市銀行は良いのですか?

須田)いや、都市銀行も良くないです。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

Page top