プロ野球開幕 名古屋でお勧めの東海地方のソウルフードとは?
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【報道部畑中デスクの独り言】
今年もプロ野球のペナントレースが開幕しました。中日ファンの私としては、5年連続Bクラスの長いトンネルから抜け出すことができるのか、松坂大輔投手はチームにどんな効果をもたらすのか、注目していきたいと思います。
ところで、今年初め、星野仙一さんが亡くなり、星野さんが「世界一のスタジアム」と愛したナゴヤ球場に足を運びました。それについては小欄でもお伝えしましたが、私は名古屋を訪れると必ず食すものがあるのです。それは…
「寿がきや」のラーメン
最近は「スガキヤ」「Sugakiya」とカタカナやローマ字表記が目立ちますが、「スーちゃん」という独特のキャラクターで知られます。そしてこれまた独特の味と香りの白濁スープ(少年時代は“謎の味”でしたが、後にこの味は「和風とんこつ」であることが判明します)、ジャンクな味わいのチャーシューが特徴的…普通のラーメンで320円、玉子とチャーシューの入った「特製ラーメン」でも450円とワンコインでおつりがくる絶妙な値付けです。
以前、気象庁の施設取材で静岡県に行く機会がありました。昼食はフードコートでとったのですが、そこにあったのが寿司店、そして寿がきやでした。同じ「寿」で始まりますが、大きな違い。新鮮な海の幸、地元ならではの食事もおいしそうでしたが、私は寿がきやを選びました。その理由は…「寿司はどこででも食べられる。でも寿がきやのラーメンは東京ではいただけない」という思いでした。そう、寿がきやは本社のある愛知県を中心に展開され、静岡県より東には店舗がないのです。一時期、東京の高田馬場に店舗を構えたこともありましたが、わずかな期間で閉店してしまいました。
考えてみると、思い切りおいしいものでもないのですが、なぜか後をひく、そして懐かしい…東海地方出身者にとってはそんな存在なのです。小学生のころ、寿がきやの店が街のショッピングセンターにありました。小学生だけで街で買い食いなど御法度の時代(今もそうか…)、ある日、クラスメートが店で「肉入りラーメン」を食べていたところを見つかって担任の耳に入り、授業1時限の半分が「反省会」と化しました。「連帯責任」という言葉が当時、学校では流行っていて、当事者が大目玉を食らっただけでなく、クラス全体の責任として、反省することになったのです。教室はどよーんとした暗い空気、先生の“お説教”が響く中で、私は内心、肉入りラーメンってうまいんだろうな…とちょっぴりうらやましくもありました。当時は肉入りラーメンが200円台だったと思います。子供のお小遣いでも何とか食べられる価格ゆえ、少し背伸びした「冒険気分」のラーメンでもあったわけです。
そんな思い出が詰まった寿がきやのラーメン、上京してからというもの、帰省する途中、必ず足を運んでいたのが名古屋駅西口の店舗でした。周辺は予備校がひしめき、熾烈な受験競争が行われていることで有名ですが、その一角…さぞかし予備校生のお供として重宝されていることだろう…ナゴヤ球場の帰り、今回も恒例のメニューを食すために向かいました。しかし…
店がな~い!
長年親しまれていた予備校近くの寿がきやは、大衆酒場に装いを変えていました。
改めて寿がきやの店舗をHPで調べてみます。地図で店舗のある場所に「スーちゃん」マークがありますが…確かにかつてあった店舗は消えていました。寿がきやも“生々流転”を繰り返している…そんなこんなで名古屋駅から南に歩くこと約15分…ショッピングモールでようやく「スーちゃん」マークを発見しました。
メニューはコク旨ラーメン、味噌ラーメンなど増えていましたが、伝統の白濁スープの「ラーメン」は健在です。特製ラーメンに五目ごはんのセット、そして寿がきやと言えばラーメンと合わせて欠かせないのが甘味! 誰が何と言おうが、ソフトクリームもオーダーします。
う~ん…まさにこの味!
名古屋と言えばエビフライ、味噌カツ、味噌煮込み、きしめん、あんかけスパ、ひつまぶし、喫茶店のモーニングセット、様々なグルメがあります。また、寿がきやの店舗は最近、大阪など関西にも進出しているほか、この味を再現した即席めんや、カップ麺もインターネットなどで販売されています。しかし、私にとっては寿がきやのラーメン・ソフトクリームこそ名古屋の、いや「東海地方のソウルフード」と言えるメニューなのです。