現存する日本国内で受け取った最も古い名刺

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日本で名刺が使われるようになったのは、19世紀の初めの、江戸時代の頃と言われています。訪問先が留守の際、和紙に墨で名前を書いたモノを置いて来るところから始まったそうです。

現在の形に近い、印刷された名刺が使われるようになったのは幕末の頃です。木の板に文字を彫って印刷する『木版印刷』の名刺が使われ、日本を訪れた外国人と接する際に交換した・・・という記録が残っているそうです。

1854年、黒船が再び日本にやって来た時、アメリカ使節団と江戸幕府の代表が名刺を交換しました。それが現在も残っている“日本国内で受け取った最古の名刺”とされています。

その後、当時、旗本だった池田長発(ながおき)さんが幕府の命令でフランスを訪問した際、名刺を使ったそうです。その名刺には、日本語で『池田筑後守』と書かれてあって、『池田家』のモノと思われる家紋もあります。この『筑後守』とは、現在で言う“役職”の1つです。さらに、その横には『ローマ字の読み仮名』と、フランス語で『日本の将軍の外交官』と印刷されてあります。

明治時代になると、名刺は盛んに使われるようになり、明治初期の鹿鳴館時代には、社交界で欠かせないモノになっていたそうです。

(2018年5月1日放送分より)

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