どうして名刺のシは「紙」じゃなくて「刺」なの?
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名刺を辞書で調べると『小さな紙に、名前や住所、職業、身分などを記したもの。普通、初対面の相手に渡す』とあります。そんな名刺ですが、漢字で“名刺”と書きます。材質は紙なのですから、“名紙”の方がイメージ的にもピッタリなのでは? と思われるかも知れませんが、どうして“紙”ではなく、“刺す”という漢字なのでしょうか?
この『名刺』という漢字ですが、中国の古い言葉です。まだ紙というものがなかった時代、竹や木を削って、そこに自分の名前を刻んでいたそうです。これを『刺(し)』と呼んでいました。これが語源となって、この名札のようなものを『名刺』と呼ぶようになって、日本でも使われるようになった・・とされています。辞書で『刺』を調べると、『名札』という意味も出て来ます。
この竹や木で出来た『刺』の使い方ですが、家を訪問した際、相手の方がいらっしゃらなかった時、この『刺』を扉の隙間に刺して、帰って行ったそうです。こうしておくことで、相手の方が帰って来た時、誰が訪ねて来たのか、分かるようになっていたそうです。ですから元々は“自分が訪ねて来たことを表すもの”だったんです。
現在の中国では『名刺』という漢字は使われていません。名刺を表す言葉は『名片(ピンイン)』です
(2018年4月30日放送分より)
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