米朝首脳会談~存在感増すボルトン大統領補佐官
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5/28 FM93 AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ!②
トランプ大統領舵切り直す~6月12日に米朝首脳会談へ意欲再び
7:10~お早う! ニュースネットワーク その1:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)
アメリカには通じなかった北朝鮮の外交戦略
アメリカのトランプ大統領は、北朝鮮側に一旦中止を通告していた米朝首脳会談について、「従来の予定通り、6月12日にシンガポールでの開催を目指す方針に変わりはない」と語った。5月26日に再度行われた、板門店での南北首脳会談で、「北朝鮮が歴史的な朝米首脳会談への確固たる意志」を表明したことから、双方は実務協議を進め、非核化の方式を含めて首脳会談実現へ詰めの交渉を急いでいる。
飯田)アメリカの実務協議のような形で、元駐韓大使を代表とする代表団が北に入っているようです。行われるのかどうかですが。
須田)これまで、こうした核やミサイルに関する国際的協議の中心は米朝で、何度か行われてきた。最近で言えば、6カ国協議がそれです。
北朝鮮は常に、「協議を拒否するかどうか」のカードを持っていました。自らの利益にならない、気にくわないことが起こると、すぐに協議の座から降りるというやり方を取ってきましたが、今回ばかりはそれは通用しないことが、身に染みて分かったと思います。飯田)「え、俺より先に席立っちゃうの?」みたいな。
外交は専門家の意見を重視しているトランプ大統領
須田)アメリカについて今回はっきりしたのは、トランプ大統領は内政に関しては、「自分が最終決定権者で主導権を持ち、取り組む」のですが、外交・外政に関しては、「専門家に任せる」としていることが、強く伺えました。
その専門家というのが、ジョン・ボルトン大統領補佐官です。彼は核不拡散の問題の専門家だし、北朝鮮に関する問題については、6カ国協議からずっと手がけてきた人物です。取材によると、彼はトランプさんに「もし融和策を取るなら、私は辞職します」と言ったそうです。飯田)クビを賭けて進言したわけですか?
須田)そうです。先述のようにトランプさんは外政は専門家に任せているので、「ならば、会談中止にしよう」と、書簡を北朝鮮に送りつけることになった。
すると、大事なのは、ボルトンさんはずっと北朝鮮の核廃棄についてリビア方式を主張してきた。それに対して、「トランプさんは一言もリビア方式とは言っていない」と、ある種北朝鮮に軸足をおいているメディアはボルトンさんの影響力を低めに見ていた経緯があります。飯田)「ボルトン、ホワイトハウスで浮いている説」が一時期ありましたよね。
須田)そんなことはホワイトハウス内を取材していない人たちの言説で、実際に今回のケースを見ると、ボルトンさんやポンペオさんが主導権を握っているのが明らかになったと思います。
今後注目するべきは米中の協議
飯田)今朝、ワシントンポストが伝えているニュースです。「非核化について、北朝鮮にある核をアメリカへ持って行き、解体する」ことが焦点になっているそうで、これこそ、ボルトンさんが言っていたことですよね。
須田)ただ、勘違いして欲しくないのは、リビア方式というのは、かつての創始国であるイギリスの諜報機関MI6が中心になってそれを行う、というのが主体でした。
ところが、リビア側がアメリアの同席を求めたのです。つまり、アメリカは後なのです。その点で考えると、今回もう1つのカードを握っているのは中国だと思います。リビア方式の主体となるのはアメリカですが、そこに後ろ盾のある中国の同席を求めてくると思います。飯田)そこは、アメリカに一方的に押されるのではなく、北としては中国を引き込みたいというのがあるわけですか?
須田)それにより、廃棄後の体制というか、交渉の進展に中国の後ろ盾を得るということです。
飯田)体制保証ですね。
須田)水面下での米中の協議は、何をしているのか不透明でいまひとつ見えない。ここを見てみる必要があると思います。
飯田)一時期は「習近平国家主席もシンガポールに行くのでは?」と話が出ていましたね。それくらい、コミットしている。噛んできているのですね。
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