働き方は出生率に影響する~週末の夫婦関係の注目すべきデータ

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月2日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。働き方改革関連法のポイントと課題について解説した。

働き方改革関連法案成立~日本の働き方は本当に変わるのか

先月29日に成立した働き方改革関連法。弊害が目立つ日本の労働慣習を見直し、多様な人材が能力を発揮し、活躍できる環境を整えるのが狙いだが、具体的に何がどう変わっていくのか。そのポイントと課題をジャーナリストの須田慎一郎氏と探る。

飯田)関連法は労働基準法や労働契約法など、全部で8本をまとめて改正するものです。働けば働くほど賃金が増えるということで、残業が慢性化してきた日本の労働を見直すもの、という触れ込み。内容によって施行日が異なっていますが、全体を見通して何が変わるのでしょうか?

出生率と週末の夫婦関係のデータ

須田)大前提として、人口減少化がいまの日本にとって最大の課題だと思います。人口減少で、当然ですが労働人口も減る。すると、職場環境がどんどん悪化したり、外国人労働者に頼らざるを得なくなる。果たして、このままでいいのかという問題意識からスタートしているわけです。これは職場環境だけの限定的なものではなく、広く日本経済社会全体に及ぼす法案なのです。
法案の叩き台を作るにあたり、厚生労働省の審議会で、審議はずっと続いていました。有識者を集めて、「何が問題なのか、どう改善していくか」の議論が進んでいましたが、私はそこへ取材に行ったことがあります。そこで、「なるほど」と思ったのは、非常に興味深いデータが1つ、委員会で提出されたのです。
前述した深刻化している人口減少ですが、これは出生率が低いからです。1組の夫婦に、子供が平均1.4人しか生まれないから人口が減っていく。国としては、1.6以上が目標です。では「なぜ子供が産まれないのか?」ですが、ある共通項があった。「子供が1人いる1組の夫婦」の、「夫が週末(土日)に8時間以上家事・育児を協力した家庭」は、ほぼ確実に第2子が誕生しています。逆に、協力が8時間未満の家庭は、第1子のまま止まる傾向が強い、とデータが出ました。
では、なぜ土日に家事・育児の協力ができないか。すべてではないですが、その1つには、「平日の労働が、非常に厳しい状況だからでは?」と。毎日残業して、週末にグッタリしていては協力もできない。すると、「この働き方を変えていく、労働負担を減少化していかないと、少子化も解決できない」という問題意識が1つあったのです。

重要な正規雇用と非正規雇用の格差問題

須田)もう1つは、今回目標でやっていますが、同一労働・同一賃金です。2極化というか、格差ですね。働き方が多様化していくなかで、「日本の雇用スタイルは正社員を軸にして優遇しているが、これが時代に合わないので変えていこう」ということです。だから、相当意味のある法案だったと思います。「残業代ゼロ法案」みたいなレッテルをずっと貼られていますが、そこばかりフォーカスするのはどうかと思います。

飯田)残業代がゼロになる高度プロフェッショナル制度ですが、現状だと「年収1,075万以上の専門職の人が対象で、そもそも、いまサラリーマンをやっている人が対象ではない」というのもありますね。

須田)心配されているのは「それが1度導入されたら年収の上限も下がるのでは?」です。ならば、そこをきちんと議論して何か歯止めを掛けるようなルールを盛り込めばいい。入り口から「反対!」では、何も成果を生まないと思います。

飯田)先ほど指摘された同一労働・同一賃金も、「低賃金でみんな働かされる!」みたいに言われることが多いですが、正規と非正規の格差がそのまま年代の格差にもなってしまう。非正規には40代くらいのロストジェネレーションが多いですが、「同じ働きをしているのに、上の50代と全然賃金が違う!」となってしまうのはマズいですよね。

須田)その上、年金や介護、医療など本来は企業が負担すべきところを非正規は自分で全部賄わなければならない。その部分を考えると、圧倒的な格差が根付いてしまう。だから、そこをどうリカバリーしていくかです。将来的に年金制度や健康保険制度の維持が危ぶまれている状況で、そこはどうにかしないと。
その辺まできちんとフォローするような法案にすべきだったけれど、なかなか国会が、当初はモリカケで、最後は「残業代ゼロ法案だ!」となだれ込み、議論が固まらなかったのだと思います。

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