済州島にイエメン人難民が急増した意外な理由

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月2日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。LCC(格安航空会社)の発展と難民問題の意外なつながりについて解説した。

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イエメンのサヌアとマーリブの間にある国内避難民向けのキャンプのテントで、授業に参加する子供=2018年3月29日(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

済州島にイエメン人難民急増~LCC(格安航空会社)を利用

韓国を代表するリゾート地の済州島に、中東イエメンからの難民申請者が急増し、500人を超えている。日本に程近いこの場所になぜ大挙してやってきたのか。韓国の難民受け入れ体制はどうなっているのか。

飯田)イエメンは内政が激化していて、サウジアラビアやイランもそこに介入しているものなので、世界最悪の人道危機と言われています。そこから遙か遠くの済州島に来ている……どういうルートでしょう?

須田)なぜこんなところに来たのか不思議に思い、私も話を聞きに行ったことがあります。
すると、ここに影響を及ぼしていたのはLCC(格安航空会社)でした。中東からマレーシアのクアラルンプールには、LCCが飛んでいるのです。そもそもLCCは「空飛ぶバス」と呼ばれ、非常に安価で移動できるということで、近年は全世界に広まっていますよね。済州島は人口減少で悩んでいました。とはいえ、韓国内では、「韓国のハワイ」と呼ばれるほどの観光地でした。「観光客を多く受け入れていこう!」の流れで、ビザ無し渡航が認められるようになった。そこで昨年12月にクアラルンプールから済州島へLCCが就航したのです。調べてみると、一時期は片道2万円未満で中東から済州島へ行けるような、そんなルートが開拓されてしまったのです。わざわざ危ない海路を船で行くのではなく、安全に空路を使い難民申請してしまおう、ということです。

日本も他人事ではない~不法労働などに発展する恐れも

飯田)では、ビザ無しの国のなかに、イエメンも入っていたのですね。そうなると、確かに「観光です」と言って、とりあえず入れますね。

須田)そうなるとポイントとして、最近日本も観光立国化を目指しているなかで、「一定期間ならビザ無し」の流れになっていますよね。
それに加え、日本にもたくさんのLCCが飛んでいるわけですから、いつ済州島のような状況に陥りかねないか、と思います。

飯田)日本も沖縄などで、「中国から来た人も、沖縄をゲートウェイにすれば、一定期間何度でも来ていい」みたいなビザができたり、緩和されています。

須田)難民申請だけでなく、入国して、不法な形で働くとか、そういうケースも出てくるのではないかと思います。

交通手段の発展により難民移動が地球規模になってしまった

飯田)こういうニュースがあると、「日本は難民を受け入れていないじゃないか!」という批判も出ますが、難民に限らないのですね。

須田)そう。リスクを負っています。かつてヨーロッパでLCCが誕生して、当時は東ヨーロッパから西ヨーロッパへ出稼ぎに行き、里帰りにLCCを利用したのがスタートでした。それが世界的に広がったと考えていいのではと思います。

飯田)安くなる分だけ、人の移動も頻繁になって、簡単になってしまう。人道の面の話と、ある意味で経済的移民な面。そこが、ビザ1つで変わってくるものがある。

須田)しかも、交通手段の発展・進歩により、一気に地球規模になってくる、ということです。

飯田)移民の話だと、経済と絡めて、「人手不足でどんどん入れろ!」みたいに経済界は言ったりしますが、そことはまた別に、既成事実が作られてしまうかもしれない。

須田)ルールに則らない経済移民みたいなのが増えてくると、将来に禍根を残すので、まずは最初に、きちんとルール作りをすべきだと思います。

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