そもそも、シリアはなぜ内戦に至ったのか?

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4月16日 FM93AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ!①

アメリカ・イギリス・フランス~シリア攻撃各国の意図とは?
7:01~ガチンコ ニュース UP!:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)

シリア 首都 ダマスカス 近郊 バルゼ アサド政権 科学研究施設

2018年4月14日、シリアの首都ダマスカス近郊バルゼで、米軍などの攻撃で破壊され、白煙を上げるアサド政権の科学研究施設(共同) 写真提供:共同通信社

トランプ政権が英仏と共同でシリアにミサイル攻撃 

トランプ政権は、日本時間14日の土曜日午前、シリアでアサド政権が化学兵器を使用したと断定し、イギリス・フランス両国と共同でミサイル105発を発射する軍事攻撃を実施した。各国それぞれの思惑を探っていく。

飯田)土曜日の昼くらいに報道されて、驚きましたね。

そもそも、シリアはなぜ内戦に至ったのか?

地球温暖化による砂漠化の影響で農作物がとれなくなったシリア

須田)「やるぞ」と言っていたので、「やはりやったか」というところではあります。ただ、日本メディアはあまり報道していませんが、シリア問題に関する大前提として、2011年から内戦が始まったのですが、「何故内戦に至ったか?」という部分まで紐解いていかないと、今日起こっていることが見えないのですよ。
実はシリアは、意外にも地球温暖化の影響を猛烈に受けています。国土の砂漠化がドンドン進んでいるのです。元々、シリアはバアス党政権が支配しているところなのですが、どちらかというと社会主義的な計画経済を進めていて、農工商とバランスのとれた経済計画を立てていました。そのなかで、農業の果たす役割も大きかったのですが、温暖化の影響で砂漠化が進んで、農作物がまったくとれなくなってきた。かつては、近隣諸国に農作物を輸出するような、農業的にすごく豊かな地域だったのですよ。
それが農作物がとれなくなって食料がなくなったものだから、それがまず難民化していく。

飯田)そこでもう不安定になっていたのですね。

須田)そういうベースがあった上での内戦だと理解しなければ、「どうすれば内戦が収まるか?」につながっていかないのです。

石油の出ないシリアにはバックアップしても旨みが感じられない

飯田)しかも、あまり石油がとれないところでもある。すると、国民が困窮してしまうのですね。

須田)自国では食べられないし、仕事がない。就業人口約500万人の国で、250万人が失業しているのです。もちろん内戦もある。だから、ものすごく社会情勢が不安定になっている状況下で、今日の動きがあるのです。
なので、ここに関与を深めている国々にとって見ても、実はあまり魅力が無いのですよ。

飯田)旨みがない。イラクみたいに石油が出るということでもない。

須田)ロシアとしてはある種のメンツというか、中東に対するくさびを打ち込むという点で、地政学的・地理的な意味合いで、友好関係を深めてバックアップする必要はある。だけど、全面的にシリアの面倒を見るのも、ロシアにとって大きな負担。
攻撃して、アサド政権が倒れ、西側が支持する政権が仮にできたとしても、「それをバックアップしていくのは経済的にも、アメリカにとっても負担だよね」と。

飯田)なるほど。だからみんな、どこかで腰が引けている部分があるのですね。

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