もはや異常とは言えない異常気象~問われる政治の責任

By -  公開:  更新:

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月26日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。西日本豪雨などの異常気象による自然災害に対して、政治はどのようにあるべきかを解説した。

もはや異常とは言えない異常気象~問われる政治の責任

気象庁が3ヵ月予報を発表~週末には本州に台風上陸か

気象庁によると、向こう3ヵ月の天候は、北日本、東日本、西日本では暖かい空気に覆われやすく、気温は平年並みか、高いとの見通しを発表している。
また、台風12号が、明日午後に小笠原諸島に接近。29日の日曜にかけ、本州に近づくおそれがあると呼びかけている。以下は、気象庁の会見である。

気象庁)気温の温度自体、39~40度という気温が広範囲で観測されるということは少なくなっていく可能性はありますが、35度以上の猛暑日が続くようなところは出てきてもおかしくない。くもり、あるいは雨の湿った空気が入り気温が抑えられる可能性があるということで、湿度はそうなるとむしろ上がってくる可能性があります。気温が下がったとしても湿度が上がりますので、熱中症のリスクが高い状態は、特に西日本中心に続くと考えた方がいいと思います。

飯田)気温だけでなく湿度も注意しないといけません。

鈴木)そうですね。あと、台風が週末に。これはいままでと少し違うルートです。だいたい西から東とか、北東とか。地図で言うと「左から右」という感じですが、今回は逆方向でしょう? そうなると、雨の降り方も含めてですが、風向きなどがこれまでの経験則と違ってくる。

飯田)逆になるのでしょうか?

鈴木)そういうことも含めて、今度の台風は警戒しなければいけない。気象予報士の方に聞いたら、「やはり雨かな」と言っていました。だから、気をつけないといけない。風も、いままでとは違う。

もはや異常とは言えない異常気象~問われる政治の責任
自然災害に対して政治がするべきこと

飯田)まるで、昔なら9月に来るようなルートですね。

鈴木)まさにそこです。地球温暖化で世界の気象機関も、「一連の猛暑を含めて、温暖化による異常気象と見ていいのでは」と言っていますが、これはいま始まった話ではない。何年も前からこういう状況は続いている。もう異常気象ではないのです。台風も、通常なら9月の秋台風がこの時期に起こる。でも、それは驚かず、当たり前と思わなければいけない。雨の量も、豪雨もそうです。この前ある政治家が「想像を超える雨だった」と言いましたが、もう言いわけにならないのですよ。想像を超えるのは当然なのだから、そういう備えを政治はしているのか。これがこの前の大雨からそうだし、猛暑もそうですよ。「暑さは仕方がなくて、個人でこまめに水をとれ」みたいに言っているけれど、この異常な暑さにしても、政治が何かをやらなければならないときが来ているのではないでしょうか。その辺が、政治が自然災害を、第1に何をやれるか、それを試されている節目に来ていると思います。

飯田)水害に関しても、堤防や治水の面で、地元からは「危ない」とずっと言われていて、陳情を繰り返して真備町は今年ようやく着工されましたが、遅かったところはたくさんありますよね。

鈴木)バックウオーター現象と言われていますよね。主流の大きな川が、横から流れているところの合流地点で逆流して、決壊してあふれてしまった。でも、ある気象予報士の方と話したら、この6、7年の間にけっこう予想以上の豪雨が来ていますが、全国で大小含めて100ヵ所近くでバックウオーター現象が発生していたのですよ。

飯田)いまに始まったことではないのですね。

鈴木)そういう意味では、また想像力の問題ですが、「これが大きい○○川でおきたらどうなるのか。そうなったらどうするべきか」を、想像力を働かせれば政治がやれたことなのに、やっておけなかった。

もはや異常とは言えない異常気象~問われる政治の責任

もはや自然災害を相手にした戦争

鈴木)それから、いまゴミの話が出ているでしょう?

飯田)瓦礫とか、震災ゴミ、災害ゴミをどうするかですね。

鈴木)水にも浸かっているし、生ゴミから何から大変なわけです。だけど、これをいま「周囲の広域でもゴミを受け入れるように検討」と言っていますが、水に浸り、数日間日照り、6日目くらいに真備町で軽トラックに瓦礫やゴミを積んだのが、真昼間から渋滞していたのです。決められた市町村の捨てる場所に向かう車が動かない。その時点で、東日本震災のときもそうでしたが、なぜ「近隣で受け入れる」というのを政府がやらないのか。広域なのだから、市町村単独では決められないわけでしょう。13日にそういう状況だったのに、どれだけ経っているのか。本当に自然災害は「仕方がない」みたいなのがありますけれど、大げさかもしれませんが、有事でしょう? 「自然災害」という敵との戦争です。そういう国民の生命財産を守るためには安全保障でもあり、自然災害を政治の第1テーマで向き合わないと、本当にどんどん犠牲が出ると思います。

飯田)時間との勝負ですよね。

鈴木)それが過去の経験であるのだから、どんどん何をするべきか考える。物資ではないのです。その辺をやってほしいと思いますね。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

番組情報

飯田浩司のOK! Cozy up!

FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

番組HP

忙しい現代人の朝に最適な情報をお送りするニュース情報番組。多彩なコメンテーターと朝から熱いディスカッション!ニュースに対するあなたのご意見(リスナーズオピニオン)をお待ちしています。

Page top