愛犬の爪が散歩から帰宅後ない! 老犬とのドタバタ生活

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【ペットと一緒に vol.99】

酷暑の日々ですが、筆者は先日かなりの冷や汗をかきました。散歩から帰宅したら、愛犬の爪が1本なくなって出血しているのです。今回は、筆者の体験談と対処法などをお伝えします。


夜に散歩に出たせい!?

熊谷市で日本の観測史上最高の気温を記録した日とその前日、筆者は愛犬の散歩を控えました。愛犬であるノーリッチ・テリアは、アンダーコートも密に生えたイギリス原産の犬種で暑さに弱いことと、13歳と9歳のシニアドッグなので熱中症リスクが若犬より高いからです。

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「お散歩行けなくて退屈だよ~。遊ぼうよー!」byミィミィ

30度を下回った翌日の夜は、愛犬たちを連れて久々の散歩へ。熱中症対策に、保冷剤を仕込めるバンダナを装着し、夜間なので首輪にはキラキラと光るLED電球内蔵アクセサリーを付けていざ出発! 9歳でまだ元気いっぱいのミィミィはウキウキと飛び回り、13歳の老犬リンリンはちょびちょびとゆっくり歩みを進め……。離れて歩く2頭それぞれに時々目をやりながら散歩をして帰宅しました。

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「ふぅ。お散歩楽しくて心地よい疲労感」byリンリン

いつもどおり、1頭ずつ“赤ちゃん用のお尻拭き”を使って足裏を拭いていたところ、筆者は思わず悲鳴を上げてしまいました。
リンリンの後ろ足の爪が1本、なくなっているのです。そして、患部からは少量の出血も見られます。

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このように愛犬を筆者の太ももにくっつけながら保定をして足を拭いています


ひとまず応急処置

帰宅したのは21時前。すでにかかりつけの動物病院の診察時間は終了しています。幸い出血が収まっているようなので、夜間救急には駆け込まずに済みそうだと判断。
「え!? いつ? どこで? なんでだろう?」と、湧いてくる数々の疑問を抱えながらも、ライター仕事で何度か執筆したことのある知識を思い起こしながら、応急処置に取り掛かりました。

「水道水で傷口を洗うのは、感染症になる恐れがあるからNGなんだよね。でも生理食塩水は備えてないなぁ。あ! 外傷救急薬でもいいって聞いたんだ。それならばあった」と、独り言をつぶやきながら、救急箱を取り出しました。

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いつもは散歩から帰宅後、アルミ製の冷たいマットでくつろぐリンリンですが……

処置中に痛がったリンリンにガブッと噛まれないように、何かのときのためにと購入しておいた口輪も念のため愛犬に装着。
しっかり保定してリンリンの後ろ足を見たところ……。爪がやはり根元から折れているか抜けてしまったよう。消毒のためにピューっと外傷救急薬を患部にかけたところ、リンリンは「キャンーッ」と鳴きました。そして、リンリンの口元が私の太ももに当たりました。口輪をしておいて、正解だったかもしれません。

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備えておいたメッシュタイプの口輪(マズルガード)

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口輪がないならば、首の下で一度結んでから首にリボンを通す代用法も

愛犬が患部を舐めると、口の中の雑菌が感染症を引き起こすかもしれないので、夜間はエリザベスカラーを装着して寝かせました。
「またコレ? 気になるんですけど」と、リンリンは不満そうな表情で筆者を睨んでいましたが……。


一夜明けて病院へ

爪を失った翌朝、動物病院を受診しました。化膿や感染症予防のために、エルタシン軟膏という抗生剤を処方され、それを患部に1日1~2回塗布するようにとのこと。
「今後3日間くらいは、患部が腫れてこないかどうかもよく観察しておいてくださいね。もし腫れてきたら、再受診を」とも言われました。

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エリザベスカラーを装着しているリンリン

それにしても、リンリンは異物誤飲での緊急手術やら、靭帯損傷やら乳腺腫瘍(検査の結果は良性)やら、6歳を過ぎてからほぼ毎年、飼い主をハラハラさせます。それに対してミィミィは9年間、病気で動物病院にかかったことはほとんどありません。
同じ犬種で、しかも血が繋がっていても、ずいぶんと違うものだと改めて感じました。

不思議なのは、リンリンは散歩中どこで抜けたのかわからないほど、「キャン」とも言わず、帰宅するまで普段どおり歩いていたことです。
「あまり痛がらない犬も多いから、飼い主さんがしばらく気づいていないケースなどもありますよ」と、獣医さんは教えてくださいました。

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暑い日は室内遊びで楽しみます♪ 13歳でもまだまだ元気!

ちなみに、爪が折れた愛犬のエピソードは、リンリン以前に3件聞いたことがあります。
印象に残っているのは、小さな丸い穴が多数空いた金属製の棚の下段に入っていた柴犬が、出てくる際に前足ほとんどの爪を穴に引っ掛けて失ってしまったという話。

いずれにしても、犬の爪が折れたり抜けたりする事故は少なくないようです。
夜間の散歩では、老犬になると白内障などが原因で暗いところが見えにくくなってくるので、要注意。リンリンも少し運動神経が衰えてきて、うまく溝蓋をまたげなかったのかもしれません。
読者のみなさんも、ぜひ気をつけてあげてください。

連載情報

ペットと一緒に

ペットにまつわる様々な雑学やエピソードを紹介していきます!

著者:臼井京音
ドッグライターとして20年以上、日本や世界の犬事情を取材。小学生時代からの愛読誌『愛犬の友』をはじめ、新聞、週刊誌、書籍、ペット専門誌、Web媒体等で執筆活動を行う。30歳を過ぎてオーストラリアで犬の行動カウンセリングを学び、2007~2017年まで東京都中央区で「犬の幼稚園Urban Paws」も運営。主な著書は『室内犬の気持ちがわかる本』、タイの小島の犬のモノクロ写真集『うみいぬ』。かつてはヨークシャー・テリア、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らす。東京都中央区の動物との共生推進員。

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