ホルムズ海峡~アメリカとイランの攻防は「言葉のみ」

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月3日放送)に外交評論家の宮家邦彦が出演。ホルムズ海峡について解説した。

世界の石油消費量の2割が通過する「ホルムズ海峡」

ホルムズ海峡は、ペルシャ湾とアラビア海を繋ぐ海上の要路で、この海峡を通過する中東産原油は世界の石油消費量の2割に相当すると言われている。世界のエネルギー供給をはじめとする国際海運にとって不可欠な役割を果たしている重要な海峡だが、ここが何故注目されているのか。

飯田)このホルムズ海峡についてメールもいろいろ頂いていますが、イランとアメリカがここをめぐって角を突き合わせているところで、ラジオネーム「サンライズやっさん」さん45歳の方「イラン海軍はさほど艦艇を所有していないので、小さめのフリゲート艦などが中心だと思いますが、この海域を機雷などで封鎖されたら、我が国の経済にたちまち跳ね返ってきますよね」。

宮家)それはその通りなのだけれど、もっと小さいボートなんかも使いますよ。

飯田)機雷の敷設のために。

宮家)アメリカの弱点を突こうとはしているのだけれど、ホルムズ海峡というと替え歌があるのですよ。津軽海峡の代わりに「ホルムズ海峡砂煙」というのがあるのです。それは昔から封鎖するのではないかと皆言っていたわけですよ。1回だってやってことがないでしょう? なぜかというと、イランが機雷で封鎖した途端に、大した海軍じゃないわけですからいまの米軍とアラブの連合軍で逆封鎖ができますよ。そうすればイランのタンカーだけを全部止めて他を通すということになる。
機雷を撒くということは戦闘行為ですから、彼らがそうした時点で安保理決議ができますよ。そして制裁がもっと厳しくなって、場合によっては武力行使容認決議が出るかもしれない。そんな馬鹿な事を賢いイランがするわけがないです。こういう脅しはよくやるのです。

海峡を封鎖するという脅しはポーズのみ

飯田)演習準備なんていう話も出ていますが。

宮家)やれるものならやってみろと。やった途端にアウトですから、この人たちは絶対にやらない。やるぞと言うのが大事で、イスラエルだってイランの核兵器の問題ではやるぞと言うのです。だいたい、やるぞと言うときはやらない。喧嘩するときは突然やるものですから。

飯田)その意味で「砂煙」なのですね。

宮家)そういうことです。「砂煙」は立つのだけれど、本当に封鎖は無理だと思うのですけどね。意見がわかれるかもしれませんが、私は脅しには屈してはいけないと思っています。

飯田)トランプさんとイランの首脳陣も、いまはプロレスをやっているみたいな感じですね。

宮家)どっちもどっちだよね。言葉のボクシングをやっていて、ラウンドはまだまだ続くので、あまり真剣に考えてはいけないと思います。

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