北朝鮮が仮想通貨交換業者のコンピュータをハッキング~日本への影響は?

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月3日放送)ジャーナリストの須田慎一郎が出演。仮想通貨の安全性や北朝鮮による仮想通貨へのハッキングについて解説した。

北朝鮮ハッカー集団がアップルのソフトを攻撃

産経新聞によると、北朝鮮が関与するハッカー集団「ラザルス」が、新たにアメリカのアップル社製の基本ソフトであるマックOSを標的としたコンピュータウィルスを開発。仮想通貨交換業者のコンピュータを今年の夏、感染させていたことが判明した。

飯田)これについてはロシアの情報セキュリティ会社、カスペルスキーラボの調査で明らかになったようです。ラザルスという名前はたまに聞きますが、ずっと活動を続けているのですね。

須田)なぜロシアの情報セキュリティ会社がこうした調査を発表しているのかと言うと、ロシアは仮想通貨大国なのですよ。ロシア国内の市場取引はかなり大きい。新規の仮想通貨発行が活発な地域なのです。ロシアにとって、こうしたセキュリティが危ぶまれると、大きなダメージを受けるということで、この辺に関してかなり積極的に行動しているのです。

経済制裁を受けている北朝鮮にとって仮想通貨は外貨獲得の手段

須田)北朝鮮は国連の制裁決議を受け、さまざまな形で経済制裁を受けていますよね。そのなかで外貨獲得の手段として、ハッキングが非常に大きな柱となっているのです。国内のコンピュータ頭脳のかなりの数を結集して、開城工業団地近くに組織の本拠地を置き、活発に活動している。
日本のメディアは仮想通貨に対する動きが非常に鈍く、情報キャッチ能力が低くて報道ベースには乗ってこないのですが、先週も仮想通貨の1つである「モナコイン」が相当額ハッキング被害にあった、という情報が入っています。「モナコインのハッキングも、おそらく北朝鮮のハッカー集団がやったのではないか?」というのが、仮想通貨の世界では常識となってきています。

飯田)去年の夏くらいに、韓国で何百億円もの仮想通貨が消えました。「北朝鮮がやったのでは?」という話も一時期ありましたよね。

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セキュリティ技術が浸透せず安全性を確保できていない仮想通貨業界

須田)仮想通貨というと、ブロックチェーンの技術を使っているから追跡が比較的簡単ですが、かなり疑わしさが色濃いと言っていいと思います。ただ、最終的にはロンダリングの手段を持っていますから、行方が分からなくなってくるのです。
その意味では、私たちはもう少しこの手のニュースに敏感になるべきだと思います。

飯田)「仮想通貨の技術を使えば、将来的に通貨が必要なくなるのでは?」とか、「為替の変動をリスクヘッジ(危機回避)できるからいいのでは?」という声もありますが、安全性の面ではもう1つですか?

須田)もう1つどころか、10、20ですよ。だから、「コールドウォレット」という、完全にインターネットから遮断された財布のようなところに置いておけばまったく間違いはない。そうでない場合、現在の技術ではほとんどハッキング被害に遭うと考えてもらっていいと思います。
そこに対するセキリュティ技術も、実はもう出てきているのも間違いないのです。ただ、それがなかなか浸透していかない。技術を使おうとしないのも、この業界がなかなか安全性を確保できない要因の1つになっているのだと思います。

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