トランプ大統領「出生地主義」廃止~この時期に言明した理由

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月31日放送)に国際政治学者の高橋和夫が出演。トランプ大統領が廃止する考えを表明した、アメリカの出生地主義について解説した。

出生地主義を大統領令によって廃止する考え

アメリカのトランプ大統領はアメリカのニュースサイトのインタビューに答えて、アメリカで生まれれば、アメリカ国籍が与えられるといういまの仕組みを大統領令によって廃止する考えを示した。これが行われると、アメリカ社会の大きな特徴である出生地主義の転換となる。

飯田)出生地主義で国籍を付与する場合と、血統主義との2つがあるそうです。

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アメリカで生まれればアメリカ国籍を取得できる

高橋)日本などは血統主義で、親が日本人ならば子供も日本国籍の日本人となります。アメリカはそうではなくて、親がどこの国籍でも、アメリカに来て産んだ子供はアメリカ国籍ということになる。アメリカは移民の国として出発した国ですから、そういう流れになっています。アメリカで子供を産みたいというお母さんが多くて、飛行機にお腹の大きいお母さんが乗ってやって来て、アメリカ国籍を取る。そうすると子供がアメリカ国籍だからお母さんも貰いやすくなる。そこからさらに親戚がアメリカ国籍になって行くということです。トランプさんはそれがけしからん、そういうことでテロリストが入って来るのだと言っている。中間選挙前にこれを言って、自分の移民に対する態度を明確にしておくということです。
ただこれは非常に重要な問題なので、大統領が「変える」と言って変えられるのか、憲法に関わるのでもう少し議会で議論するのか。どちらにしてもすぐには変わらないので、いまは話題にしておいて来週の選挙と、そういうことだと思いますね。

飯田)アメリカでは憲法で、「合衆国内で生まれた者は合衆国の市民である」と規定されている。これに引っかかるのではないかと。素直に読めば引っ掛かるよな、と思いますね。

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この時期の表明は中間選挙に向けてのもの

高橋)そういうことを気にする方ではありませんが、引っ掛かると思いますね。私の知り合いにも、アメリカに両親が駐在していて、日本国籍もアメリカ国籍も持っているという方がいらっしゃいます。

飯田)こういう国があるから、二重国籍というものが生まれるという面があるわけですね。

高橋)二重国籍でパスポートを2つ持っていると、いろいろ便利なこともあります。

飯田)一方の国では入れないけれど、日本のパスポートはいっぱい入れる、とかね。

高橋)かつてはアメリカに徴兵がありましたから、いい加減なところでアメリカ国籍を捨てていましたが、いま徴兵は無いですからね。なるべくパスポートを2つ持っていようとする方は多いのではないでしょうか。

飯田)これを転換ということになると、でも移民の原因はそれだけか、と思ったりもしますが。

高橋)いまどんどんラテンアメリカの方からキャラバンで来ている方もいますし、非合法で入ってくる方もいます。これだけが原因ではありませんが、トランプさんとしてはできることは何でもやっていくぞ、次の選挙もよろしく、ということだと思いますね。

飯田)中間選挙は来週11月6日が投開票と迫ってきています。

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