「ハロー千葉」では、千葉のイベント情報に合わせて耳より情報を紹介する。今回は、千葉県立現代産業科学館から、開催中の企画展「宇宙(そら)の味 ―宇宙日本食と食品保存技術―」の話題だ。
「宇宙食」と言うと、皆さんどんなものを想像するでしょうか?
昔は乾燥した固形物だったり、チューブに入ったペースト状の食品などを連想しましたが、近年では技術の進歩に合わせてさまざまな種類が開発されています。
かつて、宇宙開発が始まった当初の頃は、そもそも「宇宙で人間はきちんと物を飲み込めるのか?」という疑問がありました。
そのため、飲み込んだ際に食べ物が喉に詰まらないよう、チューブ入りのペーストや流動食を持ち込み、食べた感覚は離乳食に近いものだったそうです。当然味気なく、宇宙飛行士からの人気は低かったとか。
しかし開発が進むにつれ、宇宙でも問題なく嚥下・消化ができると分かり、現在のように様々な宇宙食が誕生しました。
「マーキュリー時代」と呼ばれる1962年~63年頃は、一口で食べられる固形物や、先述したチューブタイプのものが多かったそうです。
ちなみに初めて宇宙食を宇宙で食べたのは、アメリカ人宇宙飛行士であり、政治家でもあったジョン・ハーシェル・グレン氏だと言われています。
その後、だんだんと水分を含む宇宙食が進出し、食品の種類や質の向上がなされました。
宇宙食がどうしても気に入らず、サンドイッチを無断で持ち込んだという宇宙飛行士、ジョン・ヤング氏の話は有名ですね。しかし、彼の行動が宇宙食のクオリティ向上につながったという考えもあります。
現在では、一般的に売られている食品をそのまま持ち込んだり、レトルト食品やフリーズドライ、デザートや菓子類に至るまで、様々な種類の宇宙食があります。
宇宙開発はとても大切な分野ですが、開発に関わる人間にとっては、食生活ももちろん大切。
今後も技術の進歩によって、もっと多種多様な宇宙食が出て来るのかもしれません。いまから楽しみですね。
先日、国際宇宙ステーションで作られた物質を入れた小型カプセルを無事回収したというニュースが伝えられましたね。
そこで今回は、宇宙に関する企画展、市川市の千葉県立現代産業科学館で開催中の、「宇宙(そら)の味 ―宇宙日本食と食品保存技術―」をご紹介します。
会場には、カレーやラーメン、ようかんなど、JAXA・宇宙航空研究開発機構が認めた32品の宇宙日本食が展示されています。
宇宙食は、常温で少なくとも1年以上保存できる必要があり、安全性や衛生面での厳しい審査があります。
企画展では、宇宙食の容器を実際に手に取って、ふたが飛ばない工夫や軽くて丈夫な設計を学ぶことができます。
こうした技術は、宇宙だけでなく、地上で災害が起こったときに必要な保存食としても生かすことができます。
企画展では、缶詰や地域の伝統的な保存食も紹介していて、非常時への備えの重要性も訴えています。
「宇宙(そら)の味 ―宇宙日本食と食品保存技術―」は、12月2日(日)まで開催されています。
合わせてホームページもご覧ください。
「宇宙(そら)の味 -宇宙日本食と食品保存技術-」
開催:平成30年10月13日(土)~12月2日(日) ※月曜日休館
会場:企画展示室ほか
入場料:
一般:500円(400円)
高校・大学生:250円(200円)
※( )内は団体(20名以上)料金※中学生以下、65歳以上の方、障害者手帳をお持ちの方とその介護の方は無料
※11/3(文化の日)は入場無料
詳しくはこちら。
【ハロー千葉】