選択的夫婦別姓~変えたくない人に改姓を強制する日本の制度はおかしい

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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、サイボウズ株式会社・代表取締役社長の青野慶久が出演。育児休暇を取った理由、また現在取り組んでいる選択的夫婦別姓について語った。

選択的夫婦別姓~変えたくない人に改姓を強制する日本の制度はおかしい

サイボウズの青野慶久社長=2009年8月26日午前、東京都文京区のサイボウズ社 写真提供:産経新聞社

黒木)今週のゲストはサイボウズ株式会社・代表取締役社長の青野慶久さんです。ご趣味は何ですか?

青野)子供が小学校に行っているのですが、PTAにバスケットボール部があって、そこに入っています。相当へたくそですけれども、それが趣味ですね。

黒木)PTA活動が楽しいということですか? お子さんは3人いらっしゃるのですよね?

青野)4年生、2年生、年中さんですね。

黒木)にぎやかですね。

青野)毎日、カオスですね。

黒木)お子さんのためにも育児休暇を取られたりしていますが、父親として何かしなければいけないと思ってのことですか? それとも父親だから楽しもうと思っていらっしゃるのでしょうか?

青野)私は昭和型の人間ですので、子育ては全部妻に押し付けて「自分は仕事に生きて行くぞ」と思っていました。でも、妻も働いていますし、いまはイクメンの流れもありますから、やってみようと思いました。やり始めてみたら大変で、これは妻だけに押し付けることではないぞと。

黒木)よく気が付きましたね。

青野)仕事より遥かに大変ですよね。

黒木)そうですね。逆に仕事をしているときのほうが楽だったりしますもの。

青野)「いやだー!」と言われたら、それ以上話が進まないみたいなね。

黒木)青野さんは、選択的夫婦別姓についても取り組まれているとのことですが。

青野)私は青野と名乗っていますが、実はこれは旧姓です。変えてみたはいいのですが、大変で。使い分けるのも相当苦労しています。名前を変えたい人は変えればいいけれども、変えたくない人にまで改姓を強制する日本の制度はおかしいのではないかということで、いま国を相手に訴訟を起こしています。

黒木)女性が夫の姓になる。青野さんの場合は、奥様の苗字になられたということですか?

青野)そうです。

黒木)大変ですか?

青野)財布に入っているカード、免許、パスポートと全部変えないといけないですから。

黒木)でも、結婚した女性たちはそういう面倒くさいことをやっているということですよね。

青野)世の中の大変なことをほとんど女性に押し付けて来たのだと思うと、これはおかしい制度だなと思うのです。もちろん、苗字を相手に合わせて変えたい人はいいと思うのですけれども。たとえば2人とも働いていて、ずっとこの名前を使って来ているから変えたくない、という夫婦がいてもいいと思うのですね。ですがいまは制度として、それが認められていない。今後の日本の社会を考えると、これは変えた方がいいのではないか、という訴えですね。

黒木)まだ結論は出ない状況ですか?

青野)ずいぶん応援してくれる人が増えています。数年以内には何とか実現させたいと思っています。

選択的夫婦別姓~変えたくない人に改姓を強制する日本の制度はおかしい
青野慶久/サイボウズ株式会社 代表取締役社長

■1971年生まれ。愛媛県今治市出身。
■大阪大学工学部情報システム工学科卒業後、松下電工(現 パナソニック)を経て、1997年8月に愛媛県松山市でサイボウズを設立。
■2005年4月、代表取締役社長に就任。
■サイボウズ株式会社はソフトウェア開発会社。通信事業・ネットワークシステム構築・コンサルティングなども展開。
■M&Aの失敗・離職率の増加を機に覚悟を決め、「多様性」「公明正大」を大切にしながら、チームワークあふれる社会を創るために真剣に取り組む。
■離職率を6分の1に低減した実績や、ビジネスのクラウドシフトの他、3児の父として3度の育児休暇を取得した育ボス、妻氏婚(つまうじこん)、夫婦別姓などの講演も多数。
■政府の働き方変革プロジェクトの外部アドバイザーやCSAJ(一般社団法人コンピュータソフトウェア協会)の副会長を務める。
■著書に『ちょいデキ!』『チームのことだけ、考えた。』『会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。』がある。

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