日本酒『もっけだの鶴岡』ブランド~地震で銘柄不明のお酒を商品化へ!

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ニッポン放送「週刊 なるほど!ニッポン」(9月8日放送)では、「地震を乗り越えた縁起物! 山形県鶴岡市の銘柄が分からない日本酒が大人気!?」というトピックスを紹介した。

日本酒『もっけだの鶴岡』ブランド~地震で銘柄不明のお酒を商品化へ!

昨今は地震や雷だけでなく、雨も怖い時代になっている。まだ記憶に新しい自然災害の1つ、2019年6月に起きた「山形県沖地震」では、最大震度が「6強」。鶴岡市では震度「6弱」を観測し、市内の酒蔵は大量の酒瓶が割れるなど、甚大な被害を受けた。

割れずに残った日本酒も、ラベルを貼る前に被災したため、中身が「大吟醸」なのか「純米酒」なのか分からず、出荷出来ない事態にもなったという。そのなかで立ち上がったのが、地元の旅館業の若旦那衆だ。銘柄が分からなくなった日本酒を買い取り、新ブランド『もっけだの鶴岡』として商品化したのだという。

『もっけだの鶴岡』プロジェクトの担当者、「湯田川温泉 つかさや旅館」若旦那の庄司丈彦さんに、立川晴の輔が話を伺った。

日本酒『もっけだの鶴岡』ブランド~地震で銘柄不明のお酒を商品化へ!

庄司:鶴岡市でも地震の影響があった地域と、ない地域がありまして、私共の湯田川温泉は、ほとんど影響がありませんでした。

晴の輔:場所によってまったく違うのですね。

庄司:被害を受けた温泉地もありましたので、何とか皆で一緒になって、やって行ければと思います。

晴の輔:庄司さんは、酒蔵をやっているわけではないのですよね?

庄司:私は宿屋のオヤジなのです(笑)。 我々の商売は『お酒』にはお世話になっておりまして、いろいろな蔵のお手伝いで出入りしているうちに、流れでこういった立場におります。

晴の輔:地震で銘柄が分からなくなった日本酒を、商品化するということですよね?

庄司:ラベルを貼っていない状態のまま、冷蔵庫で種類別に保存していたのです。それが地震で崩れてしまい、どの銘柄か特定できなくなってしまいました。

日本酒『もっけだの鶴岡』ブランド~地震で銘柄不明のお酒を商品化へ!

晴の輔:単純にペロッとなめてみて、「これは純米酒」と判断するわけにはいかないのですね。

庄司:1つ1つ調べれば中身が分かるのですが、そうすると空気に触れて、劣化してしまいます。膨大な手間もかかるため、蔵の皆さんがとても困っていたのです。そこで、地震を乗り越えた縁起物でありながら、純米・大吟醸・純米大吟醸のうち、何が当たるか分からない「ラッキーボトル」という形の製品にしました。

晴の輔:「ラッキーボトル」ですか?

庄司:ラッキーなこともある、新しい商品として出させていただいております。

晴の輔:そのお酒は、地震を乗り越えたわけですね。どれくらいあったのですか?

庄司:もう少し出るかもしれませんが、2つの蔵を合わせて、240本ぐらいだと聞いております。

晴の輔:「もっけだの」という名前ですが、これはどういう意味ですか?

庄司:山形県庄内地方の方言で、予想外にものをいただいたときなどに「もっけだの~」と言うのです。「すみません」「ありがとう」という意味で使う言葉です。

日本酒『もっけだの鶴岡』ブランド~地震で銘柄不明のお酒を商品化へ!

庄司:本来であれば正式な製品として出せたものなのですが、「申し訳ないな」という気持ちと、応援していただけることに対しての「感謝の気持ち」も込めています。

晴の輔:なるほど。お値段はいくらくらいですか?

庄司:小売価格は3000円(税別)です。

晴の輔:中身は純米酒かもしれないし、純米大吟醸酒かもしれない。利き酒師の人などは飲みたいでしょうね。でも、答えは分からないのですよね?

庄司:分からないです(笑)。

日本酒『もっけだの鶴岡』ブランド~地震で銘柄不明のお酒を商品化へ!

晴の輔:庄司さんの「つかさや旅館」に行けば、飲めるのですか?

庄司:残り少ないですが、まだ飲めます。

晴の輔:鶴岡市内に行けば、飲めるお店もあるのですよね?

庄司:我々の「湯田川温泉」もありますし、近くにある「あつみ温泉」の宿泊施設や、市内の飲食店でも飲めます。だいぶ限られて来ておりますが、大丈夫です。

晴の輔:どんどん本数は減っているのですものね。

庄司:そうですね。蔵の方でも、ラッキーボトルに関しては在庫がない状況です。

日本酒『もっけだの鶴岡』ブランド~地震で銘柄不明のお酒を商品化へ!

庄司:揺れによってキャップ・王冠がぶつかってしまい、少し潰れてしまっているものもあります。それを『もっけだの鶴岡 王冠』として、「ラッキー」シールを貼って、地震を乗り越えた縁起のよいお酒として販売しています。

晴の輔:何だか「王様」になったような気分で飲めますね。こうしたものは皆さんで考えるのですか?

庄司:旅館業の者だけでは上手くデザインできなかったのですが、知り合いを通して、東京のデザイナーさんたちがボランティアでできると伺い、話し合いを重ねてデザインを作り上げました。僕はお酒が好きということで、たまたまこの位置にいるのです。皆さまからのアイディア、形にしていただいたデザイナーさんたちのおかげで商品になりました。

晴の輔:皆さんを助けたいという気持ちと、庄司さんの「日本酒が大好き」というところもあるのですね。災難を明るく乗り越えられていますね。

庄司:デザインの力は大きいなと思いました。是非とも、お風呂に入ってゆっくりと飲んで行ってください。

週刊なるほど!ニッポン
FM93AM1242ニッポン放送 日曜24:50-25:00

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