日韓外相会談~韓国政府が日本と「何も約束できない」理由
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月30日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。日韓外相会談について解説した。
茂木外務大臣初の日韓外相会談~議論は平行線
茂木敏充外務大臣は26日、就任後初めて韓国の康京和外相とおよそ50分会談した。元徴用工問題の他、対韓輸出規制強化、韓国によるGSOMIAの破棄などについてそれぞれの立場を主張したが、平行線に終わっている。
飯田)20分の予定だったのですが、大幅に超えておよそ50分間ということです。途中から関係者を退出させて通訳だけの、いわゆる「テタテ会談」も行ったそうですが、主張は平行線に終わった。外務省のブリーフィングを見ると、「お互い主張した」というものばかりのようです。
須田)ここで何か問題解決の糸口を探るということよりも、国内世論を意識した外相会談になってしまったようですね。特に韓国だと思います。いまの状況のなかで、日本に対して譲歩するということは、文在寅政権を支援して来た人たちの離反を招いてしまうので、強行策の一本鎗でないと政権がもたない。曺国法務大臣の問題も抱えているなかで、強行策を取らざるを得ない状況なのだと思います。
10月3日に反文在寅勢力が大規模デモを計画
飯田)28日には文在寅政権を支持する大規模集会が開かれたということですが、支持率はどんどん落ちているわけですよね。
須田)日本のメディアはまだ報道していませんが、10月3日は韓国の建国関連の祝日になります。年間で5日あるのですが、そのうちの1日が10月3日になります。実はこの10月3日に、反文在寅勢力が大規模なデモを計画しています。100万人規模だということです。
飯田)100万人規模。
須田)それに対する牽制ということでしょうか。10月3日に向けて軽々に、日本に対して譲歩できない状況に置かれているということです。
GSOMIAの破棄に見られる韓国外交と大統領府の情報の不徹底さ
飯田)康京和外相は、前の外相の河野さんと日中韓のときに北京で会談しましたが、そこからの帰路の途中くらいに、GSOMIA破棄を先に発表されてしまった。康京和さんが政策の決定に対して、どこまでタッチしているのかというのも微妙みたいですね。
須田)GSOMIAの破棄については、これをやってしまうと、日本と言うよりはアメリカからの強い反発を受けるということもあって、政権内部で割れていました。そのなかで、文在寅大統領の鶴の一声で破棄が決まったという経緯がある。韓国外交と青瓦台(韓国大統領府)の連絡がきちんととられているのかということも疑問ですね。外交政策についても、迷走しているのが実態ではないかなと思います。ですから、ここで仮に何か問題を前進させようとしても、それが守られない可能性もあります。
飯田)こちらとしても、その状況で約束はできませんよね。
須田)静観がベストな選択肢なのかなと思います。
飯田)10月5日から韓国に取材に行き、10月7日はソウルから放送します。GSOMIAの破棄も含めて、韓国の軍部の人たちや安全保障の専門家の人たちがどう考えているのか、話を伺うべくブッキングしている最中です。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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