ミサイル発射~米・日韓を見据えた北朝鮮の2つの目的

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月3日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。北朝鮮が2日に弾道ミサイルを放ったニュースについて解説した。

北朝鮮の弾道ミサイルをめぐり日韓の外務省高官が電話協議

北朝鮮が2日朝、弾道ミサイルを発射したことを受け、日本と韓国の外務省高官が電話で協議をしたことがわかった。両国は弾道ミサイルの種類や発射の目的など、今後も情報の分析を行っていく考えだ。

飯田)北朝鮮の非核化に向けても話をして、アメリカも加えた日米韓で、引き続き緊密に連携して行く方針だということです。

鈴木)俗に言う某所の制服組に何人か知っている方がいて、2日に電話で取材をしました。またかといった話なのですが、今回は日本の水域に来ていますよね。

飯田)ぎりぎり、排他的経済水域に。

ミサイル発射~米・日韓を見据えた北朝鮮の2つの目的

南北軍事境界線がある板門店で握手するトランプ米大統領(左)と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長=2019年6月30日(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

米朝実務者協議を前にした示威行為

鈴木)そうですね。その辺がいつもと異なっていますが、目的は何なのか。彼が言っていたことは、政府が正式に見解を出していますが、まずはアメリカについて。米朝で実務者協議が5日からありますが、アメリカとの交渉を前にして、示威行為として撃ったのだと。そして、それと合わせて日韓の安全保障の現在の状態や状況を、ある程度見極めて撃ったのではないかということです。いままで日本は、水域に入って来なければ割とおとなしい反応でしたよね。

飯田)アメリカの態度を見ながら、という感じですね。

鈴木)さらにいま、北朝鮮に対して、前提条件なしの拉致問題の対話も呼び掛けているということもあります。ですが、この水域に撃たれてしまうとそうは行かない。2日には安倍総理もコメントを出しました。こういうことがあったときに、日韓はどのような連携をするのだろうか、といったところを見られるわけです。今回はまだGSOMIAは切れていないので。

飯田)11月まではね。

ミサイル発射~米・日韓を見据えた北朝鮮の2つの目的

会談を前に記念撮影する(左から)韓国の康京和外相、中国の王毅外相、河野外相=2019年8月21日、北京郊外(代表撮影・共同) 写真提供:共同通信社

ミサイル発射を受けたときの日韓の動きの確認も

鈴木)韓国から情報共有について言って来るという動きがありました。1日には日本と韓国だけではなく、アメリカも入った日米韓の、いわゆる制服組で安全保障に関してのトップ会談を行っています。当然ここでは連携についても確認されています。いま日本に撃ち込んだときに、日韓はどういう動きをするのか。その辺りを確かめるという意味合いが、今回は強いのではないかということでした。永田町では、実は日本の水域に向かって撃ったのではなくて、間違って来てしまったのではないかという見方もあります。ですが制服組ははっきりと、そんなに甘い見方をするべきではないと。やはり意図的に撃ち込んで来たのだろうと言っていました。

ミサイル発射~米・日韓を見据えた北朝鮮の2つの目的

24日、ジュネーブでWTO一般理事会に出席した日韓の代表団(ロイター=共同)=2019年7月24日 写真提供:共同通信社

日韓による安全保障を考え直すいい機会でもある

鈴木)同時に、もちろんアメリカもですが、日韓の安全保障において、日韓がいまのような状態では完全にかく乱されてしまうわけです。逆にこれを利用して、安全保障に対しての日韓というものを、もう1度しっかりと行うことも1つの考え方だと言っていました。

飯田)韓国側からGSOMIAを使ってということを、あえてオープンにしたのは、その辺りの危機感があったのかもしれませんね。

鈴木)日韓議連の取材からは、10月~11月に少し動くのではないかということが言われています。日韓では何だかんだと言って、徴用工の問題があります。この辺りで糸口を探って、10月~11月に日韓は何かしら前に進めたいという話もあります。それらも相まって、日韓が改善に向けて動くかもしれません。

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