【ライター望月の駅弁膝栗毛】
全国各地の普通・快速列車などで活躍してきた115系電車。
国鉄時代の昭和56(1981)年、身延線(富士~甲府間)にワインレッドに白いラインを巻いた車両が投入されてから、JR初期にかけて、さまざまなご当地カラーの車両が登場しました。
いまも7編成が残る新潟地区では、すべての編成が異なったカラーリングで彩られています。
この日は昔、弥彦線(東三条~弥彦間)で活躍した新旧2タイプが一緒にやって来ました。
特に「旧弥彦色」と呼ばれる編成は、今年(2019年)に入って、「新潟県・庄内エリアデスティネーションキャンペーン」に合わせて復刻されたカラー。
昭和63(1988)年頃、弥彦線のワンマン運転化に向け、車両を改造した際、弥彦神社の大鳥居の赤と弥彦菊まつりの黄色をイメージしたとされるラインが入っています。
現在、新潟地区の115系電車は、越後線を中心に弥彦線、信越本線などで活躍しています。
(参考)JR東日本新潟支社ニュースリリース(2019年7月29日分)
鉄道車両でもさまざまな「彩り」が楽しめる時代、駅弁では、ちょっとした「彩り」を添えることで、より美味しくいただくことができる場合があります。
新潟駅弁を手掛ける「新潟三新軒」が注目したのは「わさび」!
「きざみわさびで食べるにいがた和牛焼肉弁当」(1150円)は、その名の通り、お好みで「きざみわさび」を添えると、ひと味違った焼肉駅弁が楽しめます。
【おしながき】
・白飯(新潟県産コシヒカリ)
・新潟和牛の焼肉 玉ねぎ 白ごま
・煮玉子
・茎わかめ梅ソース和え
・きざみわさび
高級感のある、金文字の入った黒いボックスを開けると、一面の牛焼肉が広がります。
新潟県産コシヒカリ100%の白飯と、玉ねぎと共に甘辛く焼き上げられた「にいがた和牛」、ちょこんときざみわさびを添えると、いい香りと共に、食欲がそそられてきます。
肉と玉ねぎの甘味に、わさびのピリ辛感が加わると、ちょうどいいんですよね。
これに煮玉子、梅味の茎わかめを一緒にいただいていくことで、箸が進みます。
「新潟三新軒」によると、「きざみわさびで食べるにいがた和牛焼肉弁当」は、先日紹介した「村上牛しぐれ」の成功があったからこそ、開発することができた駅弁だと言います。
特に脂がのった和牛を使った駅弁は、冷めたときに脂が浮いてしまわないように、そして、できる限り、作りたてと同じ美味しさを保てるよう、各駅弁屋さんの工夫が詰まっています。
肉駅弁をいただくときは、「冷めたときの脂」に注目するのも、1つのポイントと言えましょう。
JR化以降、カラフルな車両が走った弥彦線で、現在主に活躍するのはE127系電車。
平成7(1995)年、新潟地区に登場した車両ですが、いまは多くが「えちごトキめき鉄道(妙高はねうまライン)」に移籍したこともあり、JRの車両としては少数派になっています。
弥彦線は、元々、弥彦神社への参詣客向けに敷設された路線。
年末年始には、新旧弥彦色の115系電車を使用した臨時列車も運行されるということです。
(参考)JR東日本新潟支社ニュースリリース・2019年10月25日分
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/